down#3

●Right Down The Line / Gerry Rafferty
ジョン・パトリック・バーンの独特タッチのイラストによるジャケットが忘れられない、ジェリー・ラファティーの77年作「City To City」(UA)は忘れられない1枚。当時ヒットチャート(あのころは「キャッシュ・ボックス」誌を追いかけてた)を熱心に追いかけてた身としては、いきなり#1になった"Baker Street"(印象的なsaxのブロウはあるけど実は冗長気味、トミー・アイアーによるsynのイントロの方が印象に残る)での鮮やかな登場ぶりからして、何者??って感じだったけど、すでにステイラーズ・ホイールは廃盤になって久しかった。このLP、prodはヒュー・バーンズで日本盤LPのライナーには何も触れられてないが、バックにはなかなかシブい人たちがいる。クラプトン・バンドに加わった、ヘンリー・スピネッティ(ds)とゲイリー・テイラー(b)は元ハードの人。クラプトンつながりでは近年まであそこで、サイドgを弾いていたのが、元エーメン・コーナーのアンディー・フェアウエザー・ロウ(g)、グリース・バンドをはじめセッション無数のトミー・アイアー(kb)とB・J・コール(steel)。バックドアのグラハム・プレスキット(vn)、オリンピック・ランナーズのグレン・ル・フラー(perc)、スナフーのミッキー・ムーディー(g)etc・・・ その"Baker"に隠れがちだけど、2枚目のシングルとしてカットされたのが"Right Down The Line"。レゲエ風のリズムを隠し味に、steelがメロディーを奏でるイントロは実にうまい。前述のバックは主に英フォークロック系だけど、ラファティーの音楽はフォークロックやビートルズ(スコットランドのポール・マッカートニーとはよく言われるフレーズ)にルーツを置きながらぐっとアップトゥデイトなものになっている。余談だけど初めて行ったロンドンでタクシーのカーラジオから"Baker Street"が流れ出した瞬間はオッって感じだったなあ。