wrong#3

Elan
●Wrong Side Of Town / Firefall
ファイアフォールは、スティルスのマナサスの音楽性を受け継いだバンドで、76年のデビュー盤は、その種の音楽を好む愛好家を中心に高い評価を受けた。建国100年に沸くアメリカン・ロックの盛り上がりを象徴するかのような大型「新人」バンドの登場として。正確には新人ではなく、元フライング・ブリトウ・ブラザーズのリック・ロバーツ(g,vo)、元グラム・パーソンズ&フォールン・エンジェルのジョック・バートレー(g)、元ジョジョ・ガンのマーク・アンデス(b)、元バーズのマイケル・クラーク(ds)、そしてラリー・バーネット(g,vo)によるキャリア十分の「スーパー・グループ」だったのだ。ポップ・ロックという76年という時代性をわきまえつつ(この点は今聞くと甘い部分がある)豪快なアメリカン・ロックを演奏するスタイルは、2枚目の「Luna Sea」そして3枚目の「Elan」で開花。特に"Strange Way"、"Just Remember I Love You"のヒットが出た「Elan」('78)は代表作として語られる1枚。前作より正式メンバーに加わったデイヴィッド・ミューズ(kb,sax,fl)の存在も大きいが、ロバーツの書くポップなメロディー(ストリングスがやや邪魔だけど)と対照的なバーネットの泥くさい音楽性(バートレーのgが冴える)の2本立てが当時から魅力だった。78年当時高校生だった僕をファイアフォールに導いた(?)のは、当時購読をしてたファンジンの存在が大きい。もう何のきっかけか忘れてしまったけど、リンダ・ロンシュタットのFCの元スタッフを中心にウエスト・コーストのロックを紹介するサークルで、今のようにネットもない時代だし、過去のカタログが今ほど充実しておらず、ましてや同時代の音楽を追うことばかりだった僕に、CSN&Yを教えてくれたのもこのサークルだった。今ブログでつらつら書いてるようなことを30年前からやっていたいわゆる僕の「ルーツ」の一つなんだけど、不覚にもそのサークル、ファンジンの名前が思い出せない。実際にお会いすることはなかったのだけど、ずいぶんお世話になったのですよ<Mark(森田くん)