smoke#3

Another Time Another Place
■Smoke Gets In Your Eyes / Bryan Ferry
ブライアン・フェリーのソロとロキシー・ミュージックのアルバムはどこが違うのか?というと少なくとも初期に関しては、フェリーのソロは基本的にカヴァー集で、同じようなメンツがバックをつけてても、毒は少なくむしろ聞きやすい印象を受ける。かつての日本盤LPには今野某氏のライナーが付いてて、相変わらずの世界観で異彩を放っているけど(その昔プログレ系の日本盤LPにはサウンド以上に難解な解説が付いていた。基本的なデータ不足(伝わってこない、そういう時代だったのだ)を詭弁でごまかすという手法が取られた)、74年の2枚目「Another Time Another Place」は、ジョン・ポーター(g〜この人が後に初期のスミスを手がけるとは思いもしなかった)、ポール・トンプソン(ds)、ジョン・ウェットン(b)の新旧ロキシーの面々がバックを付け、ゲストに元ナイスのデイヴィッド・オリスト(g)、ジューシー・ルーシーのクリス・マーサー(sax)、ヘンリー・ロウサー(tp)らが参加。ディラン、サム・クックからクリス・クリストファーソン、ジョー・サウスまでかなり幅広い、ジャンルを無視した、「歌いたい曲」を並べた選曲で、その中でもプラターズで知られる"Smoke Gets In Your Eyes"と"You Are My Sunshine"は異色の出来。前者は、映画「アメリカン・グラフィティ」で、ロン・ハワードとシンディー・ウィリアムスのダンスシーン(「別れた」のにプロムの場でメンツを保つ為に笑顔を見せる)で使われたと記憶する。