ジェファーソン・エアプレイン

BLESS ITS POINTED LITTLE
■Bless Its Pointed Little Head / Jefferson Airplane
何度も書いてるがジェファーソンの長い歴史の中で、一番好きなのはマーティー・バリン、ポール・カントナー、グレイス・スリックの三頭時代のジェファーソン・スターシップなのだけど、その僕の好きな時期と、歴史的にも重みがあるジェファーソン・エアプレインはやはり別のバンドという感じもする。決して嫌いではないし、過去に何枚もLPを持ってはいたけど、売っては買って、又売っての繰り返し。JAとして一番好きなのは69年の「Volunteers」でこれはその前作に当たる、68年秋の東西フィルモアで録音されたライヴで、JA全盛期の1枚とされるもの。先の3人に、ヨーマ・コウコネン(g)、ジャック・キャサディー(b)、スペンサー・ドライデン(ds)を加えた黄金の布陣。現在の耳で聞くと、基本はブルーズに影響された白人ロックなのだけど、コウコネンのgのフレーズにジャズ的なものを感じさせたり、キャサディーの弾むbassがサウンドの核になってたりと、昔聞いてもあまり感じなかった部分が新鮮。特にBBキングで有名な古いブルーズの"Rock Me Baby"という選曲は、68年という時代ではまあスタンダードな感じはあるけど、演奏面での充実ぶりは、例えばキャンド・ヒートあたりの同世代の米ホワイト・ブルーズ・バンド以上だ。キャサディーのbassを先導に畳み掛けるような演奏は、"3/5's Of A Mile In 10 Seconds"、"It's No Secret"などで堪能できる。これにマーティー、グレイス、ポールのvoが絡み合う様は、かつて「シスコの自由な空気を代弁させる」と称された事もあったけど、いい感じだ。04年にリリースされたリマスター盤CDである本作は、更に3曲のボーナストラックがついている。