鳥#4

Hejira
■Black Crow / Joni Mitchell
70's半ばよりジョニ・ミッチェルの音楽はジャズ的なニュアンスを持ったものに移行してきた。初期のフォーキーな味わいからファンキーなバッキングがついたLA Express(最近はトム・スコットの名も聞かないけど、70's半ばジョージ・ハリスンとの共演を初めスコットが英米のロックのキー・パーソンだった時期が確かにあった)とのライヴをはさんで「Court & Spark」、「The Hissing Of Summer Lawns」と来て、この「Hejira」('76)で頂点というのが私見。これ以降はチャーリー・ミンガスに傾倒して本格的にジャズの世界に突入、と思いきや「Shadows & Light」というライヴでけじめをつけるという律儀さを見せた。初来日は、82年の「Wild Thing Run Fast」の後で、ジャズ色は後退、逆にロック的なものが出てきた1枚だった。ステージでdulcimarを弾くジョニが印象的だった。「Hejira」は初参加のジャコ・パストリアス(b)の顔見世的なアルバムでもあって、ジャコは次の3枚に大きくフィーチャーされている。他にもヴィクター・フェルドマン(perc)、ジョン・ゲリン(ds)、マックス・ベネット(b)、トム・スコット(sax)らフュージョン(という言葉は当時なかったけど)の面々が参加。"Black Crow"は、ラリー・カールトンのgをフィーチャーしたもので、dsなし、ジョニとジャコとの3人の演奏になっていて妙な迫力がある。インナーでは黒いカラスに扮したジョニの写真もあり。

  おまけ
もっと若い頃のジョニ。dulcimarを弾く"California"