鳥#5

フール・アラウンド(K2HD/紙ジャケット仕様)
■Cuckoo Clock / Rachel Sweet
スティッフというレーベルは当初パンク・ロックのレーベルとして日本に紹介されたが、元々ブリンズレー・シュワーツのマネージャーだったジェイク・リヴェラが設立した関係で、パンクと呼ぶには、キャリアのあるヴェテラン勢(その多くはパブロッカーだったのだけど)をそろえたラインナップだった。特に初期は、パッケージツアーを組んでたこともあって、エルヴィス・コステロニック・ロウ(元ブリンズレー)、イアン・デューリー(元キルバーン&ハイ・ローズ)、リーナ・ラヴィッチ、レイチェル・スウィート、ミッキー・ジャップ(元リジェンド)あたりをひっくるめてスティッフの音、という印象はある。オハイオ州アクロン出身のアメリカ人で63年生まれ(ほとんど同世代)なので、デビュー作「Fool Around」が出たときは15歳だった、レイチェル・スウィートは、いかにもヤンキー(アクセントは最初の方)な明るさを持ちながら、パンク真っ最中のイギリスからデビュー。愛くるしいルックスとは裏腹なパワフルな歌声が魅力だった。そのデビュー作は英米でジャケットが違い、米盤にはデル・シャノンの"I Go To Pieces"を収録。日本盤は2種類出た覚え(買ったのはホワイトカラーの英盤)。ヒット曲"B-A-B-Y"(動画参照)もいいが、瞬間的な爆発力がすさまじい、"Cuckoo Clock"はリーナ・ラヴィッチのスクリームとともに印象深い。いかにもあの頃のティーンらしい題材の"Who Does Lisa Like?"もパワフル。その後スティッフから米コロムビアに移籍。活動の拠点を本国に移したものの、ケバいメイクのティーン・シンガーとして今イチパッとしなかった記憶。それでもパット・ベネターが取り上げた"Shadows Of The Night"をいち早くカヴァーしたり、レックス・スミスとのデュエット"Everlasting Love"がヒットしたりもした。

  おまけ
「トップ・オブ・ザ・ポップス」より。