song#2

Full House
■The Doodle Song / Frankie Miller
フランキー・ミラーという人は、バンド運に恵まれず、ロビン・トロワーとのジュード、アンディー・フレイザーとのミラー・フレイザー・バンドは、共に音源を残すことなく(後者はポール・コソフのアンソロジーに1曲あり)解散。また1stではブリンズレー・シュワーツとの共演、2ndではアラン・トゥーサンの元でのニュー・オーリンズ録音と、マニアのツボを押さえてるけど、あまり評価されない。フランキー・ミラー・バンドを結成後もあっさりと解散(ヘンリー・マックロウはソロに)。続いて結成したのがフル・ハウスで、同名のLP「Full House」('76)は文句なくミラーの代表作と思っている。同じクリサリス・レーベルのプロコル・ハルムの作詞家、キース・リードがミラーのマネージャーとして就任し、レイ・ミネット(g)、チャーリー・ハリスン(b)、グラハム・ディーコン(ds)、ジム・ホール(kb)が参加。ミネットとホールはEMIのハイウェイ(未聴)というバンドのメンバーで、ハリスンは元ジューダス・ジャンプ、ディーコンは元ジョン・エントウィッスル・バンドの人、というシブい人選。このLPで一番有名なのは、ジョン・レノンのカヴァー"Jelous Guy"とナット・キング・コールのカヴァー"Love Letter"だろうが、シングル・ヒットした(全英#27)"Be Good Yourself"での豪快なロックンロール(メンフィス・ホーンズ参加)も忘れがたい。スコットランド気質を感じさせる"The Doodle Song"は、後にルー・アン・バートンがカヴァーしたもので、77年に全米#71まであがるヒットとなったのは、どうしてだろう。
手持ちの独Eagle盤のライナーには当時の裏話が詳しいが、録音途中でハリスンが抜け、クリッシー・スチュワート(b)が呼び戻されたり、クリス・スペディング(g)、ゲイリー・ブルッカー(kb)、ラビット(kb)が参加(ホールも録音中に脱退)したりとレコーディングは困難を極めたという。prodはクリス・トーマス

   おまけ
この"Be Good To Yourself"は、多分もっと後の時期じゃないかな?