silly#2


■Silly Love / Bridge
ブリッジの事を最初に知ったのは何だったのか、もう忘れてしまった。忘れてならないのは、90's初めにはギター・ポップとかネオアコというのはもうシーンでは目立ってなかった事。ギター・ポップと言うジャンルはあまりよくわからないけど、アズテック・カメラや初期のエヴリシング・バット・ザ・ガール、ペイル・ファウンテンズが大好きだった僕がそういう傾向の次なるバンドを探してもメジャーシーンから消えてしまっていたし、そんな時今はなき西新宿Woodstockの店頭でかかってたフリッパーズ・ギターの1枚目を聴いたときは衝撃だったし、日本の若いバンドだったと知ったときの驚きもあった。そのフリッパーズの弟バンド的だったブリッジは、瀧見某氏のクルエル・レーベルのサンプラーで1曲披露していたが、マーブル・ハンモック、ルーフ、といった日本のネオアコ(と呼んでいいのか?)シーンの連中が集まったコンピ「Innocence & Peppermints」('91、エピック)でいよいよ姿を現した。時間軸に関して記憶が不鮮明だけど、当時渋谷のクロコダイルでよくやってたライヴには、「City Road」誌のライヴ欄をさがしてよく通っていた。まだ日本語歌詞(トラットリアから出たデビュー作「Windy Afternoon」には英詩とカタカナ詩が載っていて愕然とした)ではなく、大友真美の舌足らずな歌い方はキュートな反面、危うさを秘めていた感じ。音楽的な中心は、まだカジ・ヒデキ(b)ではなく、清水(g)や池水(kb,acc)だったような気がする。その"Silly Love"は、池水のアコが印象的なもの。稚拙な演奏という人もあろうが、僕は気に入ってる。このコンピにはもう1曲、フランス・ギャルの"初めてのヴァカンス"のかヴぁーもあり。
メジャー・デビュー後のブリッジは、一部で高い評価を受けつつ、成功したとはいえなかった。僕はその後も足しげくライヴに通い、クロコや下北沢のキュー、渋谷のクアトロには何度も通った。そんな中印象的だったのは、確か「Paper Bikini Yaya」が出た頃の法政大学でのライヴで、あのテープは取ってあるから今度探して聞いてみよう。