you#2


■You Take My Breath Away / Claire Hamill
ずいぶん前にBlueprintから出たCDはジャケットが変わっていたけど、日本のAir Mailから出たものはめでたくオリジナルジャケットに戻されていた。クレア・ハミルの3枚目「Stage Door Johnnies」('74)の話。キンクスの新レーベルKonkに移籍しての第1弾で、この時期のキンクスがキャヴァレー・スタイルというかトラディ・コミック調というか、まあノスタルジック路線なので、このアルバムも買うのになかなか勇気がいったことは確か。prodはレイ・デイヴィスで、ジャケットにはバック・バンドの4人の男が映っているが、実際は決まったバンドではなくセッション・マンを起用してのもの。但しクレジットからすると、ニック・サウス(b)、デイヴ・ロウベリー(kb〜元アニマルズ)、ジム・フランク(ds〜フォックス)、フィル・パーマー(g)が中心となっているのか?他にはティム・ヒンクレー(kb)、フィル・チェン(b)ら。
雑誌のレヴューは、短いコラムなので当てにならないけど、このアルバムに関しては全編ノスタルジック路線と言うわけではなく、初期のフォーキーな線も残っている。注目は5曲のカヴァーで、アニマルズ、ムーディー・ブルーズといった初期のブリティッシュ・ビートの佳曲をとりあげている。"We Gotta Get Out Of This Place"は、バリー・マンとシンシア・ワイル夫妻の、"Go Now"はデニー・レインの作になる。そしてマイケル・マーフィーの"Geronimo's Cadillac"、スティーヴ・ミラーの"Something To Believe In"といったアメリカのsswのカヴァーでは、フォーキーな路線を継承したもの。そしてエセル・ウォーターズの"Oh Daddy"ではノスタルジック路線極まるといった曲調で、こういうのはもうパス(^^)
ソングライターとしてのハミルの魅力が光るのは、"You Take My Breath Away"、"You Know How Ladies Are"といったナンバーで、後者はイーヴァ・キャシディーがカヴァーしたことでも知られているとか。タイトル曲はclの入ったややノスタルジックなもの。これくらいならいい。
動くクレアというのはなかなかないのだけど、80'sにウィッシュボーン・アッシュの「Just Testing」に参加した事からアッシュ・ファミリーとして認識されているようで、近年のアッシュ(アンディー・パウエル率いるものとマーティン・ターナーが率いるものとがあって、よくあるように名前の使用をめぐって対立しているとか)のステージにも参加しているようだ。

ここでちらりと見れる。それよりもライナーで知ったのだけど、リック・グレッチと立ち上げながら短命に終わったという、スクエア・ダンシング・マシーン(SDM)というのが気になる。
http://www.wishboneash.co.uk/personnel/7.aspx