good#2

Last Exit Last Exit
■Feelin' Good / Traffic
昨日の話の続きみたいだが、トラフィックを初めて聞いたのは78年ごろ東芝EMIから廉価で出た「Mr.Fantasy」だった。ビートルズをもっとサイケデリックにしたような音で、結構おもしろかったけど、同じ頃高校の帰り道にあるレコード屋で買った英国盤(輸入盤のブームに乗ってか、フツーのレコード屋だったその店が、どんなルートでか大量の英国盤を仕入れては来たが、売れるはずもなくどんどん値は下がり、最後は投売りくらいの値段だった気がする)の「Low Spark Of High Heeled Boys」の方が好みだった。そこから遡るようにしてトラフィックを集めていったのだけど、サイケデリックなのはデビュー作だけで(あれは時代のムードだったんだろうなあ)、基本線は土くさいブリティッシュ・ロック。デイヴ・メイスンが脱退、再加入を繰り返したのは、スティーヴ・ウィンウッドとの衝突がたびたびあったと言われているが、これはロジャー・マッギンとそりが合わなかったジーン・クラークの場合と似ている。
3枚目の「Last Exit」が出た69年には実はバンドは解散状態で、A面はデイヴ・メイスンのソロシングルB面の"Just For You"を含む未発表音源、B面はメイスン抜きで行われた68年のツアーからのライヴ2曲となってる。余談ながらアイランド・リマスターとして99年に英アイランドがリマスター&エクスパンデッドのCD化を行った際に、A面から3曲が2枚目の「Traffic」の追加され、また「John Barleycorn」では70年のライヴが追加収録されたので、これは「Exit」のライヴ2曲は未発表ライヴCD(回収された幻のライヴ盤もあったことだし)に収録されるものだと思っていたが、あれから7年経ってもそんな話はない。日本のユニバーサルは紙ジャケで「Exit」を含むトラフィックの全アイテムを紙ジャケでCD化してしまったし、このB面のライヴは中途半端な状態で放置されている感じだ。
さてその2曲は、ウィンウッド(b,org,vo)、クリス・ウッド(fl,sax)、ジム・キャパルディー(ds,perc)による演奏でおそらくはオーヴァーダビングなしのものだろう。どちらもブルーズのカヴァーで"Feelin' Good"は、Bricusse/Newleyのクレジットがある(記憶ではピート・ウィングフィールドがいたホワイト・ブルーズのジェリーブレッドもこの曲をカヴァーしていたと思う)。最少人数の演奏なので仕方がないがかなりスカスカ。ウィンウッドはpedal-bassとorganを同時にプレイしたと伝えられるが、もう1曲の"Blindman"も含めブルーズ〜ジャズ色の濃い演奏で、例えばジョージー・フェイムとかブライアン・オーガーの世界に近い。ウッドのflとウィンウッドのorgが「醒めた熱気」をかもし出す。
画像の右は確か米盤LPと同じジャケ(UA)。この形でもCD化されている。左はオリジナル。メンバー4人映っているが、ジム・キャパルディー以外顔を隠してて誰かわかりにくいが、ひょっとしたら違う人かも。こういういかにもバンドが続いてますよ〜といったやり方はレコード会社ならでは。