●Sex & Drugs & Rock& Roll:The Best Of / Ian Dury & The Blockheads

Sex & Drugs & Rock
初期スティッフを代表する怪人、イアン・デューリーのスティッフ時代のベストで、80年までの音源が収められている。デューリー、ニック・ロウ、コステロ、リーナ・ラヴィッチ、レイチェル・スウィート、ミッキー・ジャップなどはひっくるめて当時パンクとして紹介されたけど、実は全然違う。ジャップ(レジェンド)、ロウ(ブリンズレー)、デューリー(キルバーン&ハイローズ)など70's初めから活動していたヴェテランも多く、従来の価値観を越えた新しいことをやろうとしただけなのだ。デューリーの音楽はR&Bというよりもレゲエからの影響が強いと昔は思ってたけど、久々に聞きなおして改めて確信。70's後半におけるイギリスでのレゲエの影響の強さは特別だったようだ。バックをつけるブロックヘッズも実はヴェテランの連中で、パブロックのバイザンティウムにいたチャス・ジャンケル(kb,g)、グレンコーのノーマン・ワット・ロイ(b)、アークのミッキー・ギャラガー(kb)とジョン・ターンブル(g)らが参加。初期の"Wake Up And Make Love With Me"、"Sweet Gene Vincent"もいいがより濃厚なファンク色を漂わせた"Inbetweenies"、"Reasons To Be Cheerful Part3"も悪くない。特に後者は80'sに入って開花するUKソウルの近いルーツともいえる乾いたファンク・ナンバー。