●If You Saw Thro' My Eyes / Ian Matthews

愛のいのり(紙ジャケット仕様)
「71年のマシューズの初ソロで、Vertigoからのリリース。前に持ってたUS盤LPはUS-Vertigoだった。70年にマシューズ・サザン・カンフォートをスタートさせ、1年で3枚のLPを出した(Uni)こともあって、創作意欲が沸きに沸きまくってた時期のもの。ジェリー・コンウェイ(ds)、パット・ドナルドソン(b)というフォザリンゲイのリズム隊にティム・レンウィック(g〜クィーヴァー)、リチャード・トンプソン(g)、サンディー・デニー(vo)、アンディ・ロバーツ(g)、キース・ティペット(p〜当時クリムゾンのティペットはキース・クリスマスら英フォークの連中のバックによく借り出されたようだ)らを加えた端正な演奏。アメリカ的な部分は抑え気味で、ブリティッシュ・フォーク・ロックの味がよく出ている。リチャード・ファーリナのカヴァー2曲が少し意外。"Southern Wind"は、ドリス・トロイ、ライザ・ストライク、ナネット・ニューマンのコーラスをフィーチャーして少し毛色が違う。そして何といってもタイトル曲。デにーとのデュエットになる途中からの荘厳な感じは、この曲が宗教的な静けさに満ちているからだろうか。レンウィックのさりげないgもいい。何よりもこれが「猫ジャケ」であることもうれしい。