ねずみ#1

ロックス (紙ジャケット仕様)
■Rats In The Cellar / Aerosmith
ねずみ年という事で、一発目はエアロスミス。「Rocks」('76)は初めてちゃんと聞いたエアロのLPで、日本でも相当話題となった。77年の1月にエアロは初来日し、僕が始めて聞いたのは、来日記念盤としてその前のLPからシングルになった"Walk This Way"だった。そのシングルには短い解説が載っていて、そのケダモノ的な内容に純情だった中学生の僕はビックリした覚え。そうSM的な"Back In The Saddle"でもそうだったけど、エアロスミスにはすごく危険なワルの匂いがしたのだ。にも書いたことあるが、バッド・ボーイズ・ロックというジャンルがある。セックス、ドラッグス、ロックンロールをライフスタイルに取り入れた不良のロック(日本で不良という事になると、昔はリーゼント、革ジャンでキャロル、横浜銀蠅(今ではラップ系か)になってしまうので少し違う)。その遠いルーツは、60's末のシャドウズ・オブ・ザ・ナイトやスタンデルズなどのガレージ・サウンドにたどり着くけど、それらに影響を受けた米グラムロック(NYドールズなど)を通したエアロは第2世代(第3世代は80'sのよりヘヴィ・メタリックなモトリー・クルーとかトゥイステッド・シスターなんかだろう)になるのか。
日本では、クィーン、キッス、エアロスミス(、エンジェル)といったバンドが70's後半に圧倒的な女子人気だった(BCRなどのアイドル系以外で)が、エアロは男子のファンも多かった覚え。で、それまでブリティッシュのハードロックばかり聞いていた僕にエアロの東海岸ハード(当時アメリカのハードロックは圧倒的に東中心だった)は、どうも違和感を感じなじむまで、時間がかかった(音の密度の濃さや湿り気が違ったのだ)ので、リアルタイムでは、よりわかりやすい次の「Draw The Line」の方を愛聴していた。
"地下室のどぶねずみ"というそのまんまな邦題がついたこの曲は疾走感あふれるロックンロールで、次の"Combination"と僕の中では組になっている。


78年のテキサス・ジャムから。当時こういった野外のフェスティヴァルタイプのライヴでは、圧倒的な動員力を誇っていたが、そろそろドラッグ問題も深刻になってきて、スティーヴン・タイラーとジョー・ペリーの不和問題もちらほら出てくる頃だった。