cruel#2

Labour of Lust
■Cruel To Be Kind / Nick Lowe
今もって、白人によるロックンロールバンドの最高峰の1つはロックパイルと信じている。デイヴ・エドモンズとニック・ロウ、そしてビリー・ブレムナーとテリー・ウィリアムスによるシンプルな4人組ながら、エドモンズの白いチャック・ベリーぶり、ロウのウェールズのポール・マッカートニーぶりが楽しい。この名前では1枚しかアルバムを出してないが、同時期のエドモンズ、ロウのアルバムはほとんどロックパイルによるものだ。
元々はロウがいたブリンズレー・シュワーツの末期のレパートリーだったという"Cruel To Be Kind"は、日本でも"恋する二人"なるメローな邦題で知られたパワー・ポップの傑作。アメリカのチャートでも79年に#12まであがるヒットとなっているが、ロウの2枚目「Labour Of Lust」から。スティッフを設立したジェイク・リヴェラが新たに立ち上げたレーダーからで、結局このレーベルも長くは持たずF・Beatに取って代わられることとなった。このためワーナーから出た初期のロウの2枚が一時期かなりのレアアイテムになったりしたこともあった(その後英ディーモンが複数のコンピで編んだので大半は聞けるようになり、後に正式な形で復刻)。