#4シュガー・ベイブ

SONGS 30th Anniversary Edition
■Songs / Sugar Babe
山下達郎大貫妙子がいたことで知られるシュガー・ベイブが残した唯一のアルバム「Songs」が、リリース30年以上経った今も若いファンの間で聞かれているというのはやはり驚愕の事実。94年には結成20周年として、[山下達郎Sings Sugar Babe]というライヴがあったが(当日券を求めてサンプラザに向かった僕を待ち受けたのは、ダ○屋の法外な値段だった)、単に昔の曲をやるだけでなく、当時のarrで再現したこだわりは凄かった。少なくともあのライヴ音源(FMでエアチェック)のarrは、僕yの理想とする日本のロックの音だった。
さて、エレック('75)→日本コロムビア('76)→CBSソニー('81)→イーストウエスト('94)→ソニー('06)と何度も再発されてきたアイテムだけど、僕が初めて聞いたのは81年版。最初の印象は、思ってたほどポップでもメロディアスでもないなあ、という印象だったけど、聞き込むごとに血となり肉となる栄養価の高いポップスだった。
80'sにepoがカヴァーした"Down Town"がアイズレー・ブラザーズからの、"雨は手のひらにいっぱい"がフィル・スペクターからの、”SUGAR”がナンシー・シナトラからの影響があった事は当時知る由もなかった。よく言われるようにシュガー・ベイブが影響されたアーティスト(例えばフィフス・アヴェニュー・バンドやビーチボーイズ、BJ・トーマスなど)からのわかりやすい引用はなく、むしろ暗喩に近いやり方でそれぞれの曲と同化しているので、数回聞いただけではわかりにくいが、様々な音楽を聞きこむことによって、見えてくるものがあり、改めてメンバーの造詣の深さを感じさせる。大貫妙子の音楽もソロになってからよりも、シュガー・ベイブ時代がやはり一番好み。特にソロでもカヴァーされることがなかった未完成な"風の世界"が。
06年に出た最新版(未購入)ではまたもボーナストラックが差し替えられている!
定番度■■■■ 偏愛度■■