ring#2

Act Like Nothing
■This Diamond Ring / Al Kooper
ゲイリー・ルイス&プレイボーイズの65年の#1ヒットを作者の1人である、アル・クーパーが再演したもの。76年の「Act Like Nothing's Wrong」(Liberty)からのナンバー。70's初期には、時代を代表するアーティストだったクーパーも、ロックの多様化と共に取り残された感じとなり、起死回生を狙ってリリースされたのが本作だった。白人による、ブルー・アイド・ソウルの屈折版。スティーヴ・ウィンウッドやホール&オーツのような正攻法ではなく、ピチカート・ファイヴやスタイル・カウンシルにも通じる寄り道しまくる方法論先行のタイプなんだけど、セールス的に玉砕してしまった事から、以後はレコード作りは趣味とクーパーは開き直ってしまった。
ハイ・サウンド風、リトル・フィート風などいろんなスタイルを試みており、バックもアトランタでARSをバックにしたもの、フロリダのTKサウンドでジョージ・ペリー(b)、タビー・ジーグラー(ds〜一時期スティルスのバンドに参加していた)、リトル・ビーヴァー(g)らを加えたもの、ナッシュヴィルで録音されたアーシーなもの(スティーヴ・ギブソンのラップ・スティールが冴える"In My Own Sweet Way"が素晴らしい)と多彩。