■Goodbye For Good:Formerly Fat Harry

Goodbye for Good: The Lost Recordings 1969-72
サブタイトルにThe Lost Recordings 1969-72とあるように1枚のLPを英Haevestに残して解散したフォーマリー・ファット・ハリーの未発表音源集で、07年に英HUXからリリースされている。FFHというと先にCD化された日本盤紙ジャケCDのライナーで、藤崎さんはあくまでもアメリカに憧憬する英国フォーク・ロックという観点で、文章を書かれてるが、この「Goodbye〜」の英文ライナーと船曳さん(くしくもエヴァンジェルのBBSでおなじみのお二方!)のライナーによれば、元カントリー・ジョー&ザ・フィッシュのブルース・バーソル(b)はともかく、ゲイリー・ピーターソン(g,vo)とフィル・グリーンバーグ(g,vo)の二人もバーソルのカリフォルニア時代の友人だったらしく、3人のアメリカ人が英国で結成したサイケデリック〜フォーク・ロックだったのだ。彼らのルーツには、またジャズがあり、dsが英ジャズ系のジョン・マーシャル(後にニュークリアス、ソフト・マシーン)、アラン・ジャクソン、ローリー・アラン(後にゴング)というのも面白い。この未発表音源は、デモとライヴが半々だが、ライヴではいかにもシスコ出身らしい、フリー・フォームな演奏ぶりで、同時期のデッドからの影響もある。特に"Tell Me All About It 〜"と"Goodbye For Good"の演奏は素晴らしい。英国的なメロウネスが光る"Corelia Corell"(ピーターソンがorgを弾く)や"Funky8"もいい。