long#2

ソングス
■I've Been Alone Too Long / B J Thomas
BJ・トーマスの「Songs」('73)はシュガー・ベイブの唯一のアルバムのタイトルに引用されたというまことしやかな噂があるが、当時の山下達郎がBJ・トーマスの熱心なファンだった事は知られている。長年在籍したセプター・レーベルの倒産でパラマウントに移籍した第1弾がこの「Songs」。名盤とされる「Billy Joe Thomas」ほど派手さはないので、あまり語られることがないけど、じっくり聞くとじわじわくる1枚。NYのエレクトリック・レイディでの録音で、アル・ゴーゴニ(g)、ヒュー・マクラッケン(g)、アラン・シュワーツバーグ(ds)、ボブ・マン(g)らNYのセッション・マンが参加しているが、音のほうは南部の白人カントリー〜R&BのいつものBJの世界。ライナーの長門さんは「マーク・ジェイムズの「Mark James」、バリー・マンの「Lay It All Out」とつながりがある1枚」と語っているが、ジェイムズ、マンも本作では大きくフィーチャーされている(マンの「Lay〜」の冒頭を飾った"Too Many Mondays"のパワフルなカヴァーが本作での聴きものでもある)。
"I've Been Alone Too Long"は、シンシア・ワイルとジェイムズの共作で、アコースティックなムードのバラード。こういう曲でのBJの深みがあるvoは見事としか言いようがない。