職業#8

461 Ocean Boulevard (Dlx) (Dig)
■I Shot The Sheriff / Eric Clapton
次は保安官。
エリック・クラプトンと言えばこの「461 Ocean Boulvard」という時代がかつてありましたね。僕がリアルタイムで初めて接したクラプトンは、77年の「Slowhand」で、意外と聞きやすいなあというのが本心でした。もっとブルージーなのかな?と思っていたのでカントリーっぽい香りはうれしい誤算でした。それからさかのぼって聞くようになったのですが、その頃のクラプトンの評価は、レイドバックした音を良しとする派がさすがに多かったのですが、クリームの頃の激しいプレイを評価する派も少数ながら根強くいたようです。僕としてはもちろん前者だったのですが、クラプトン=レイドバックを象徴する74年の「Ocean Boulvard」を初めて聞いた時には、"Let It Glow"とゼッペリンの"Stairway To Heaven"との類似にまずびっくりしたものでした。
マイアミのクライテリア・スタジオのアドレスをタイトルにしたこのLPでは、ボブ・マーレーの"I Shot The Sheriff"*1を取り上げています。74年の時点でレゲエはまだ一般的にはほど遠く、レガエとかレゲと日本でも表記はまちまちでしたが、#1ヒットとなったことからこのジャマイカのルーツ・ミュージックが広く知られるようになりました。クラプトンはこの時点で、マーレーのファンであったわけではなく、クライテリア専属のgtrで、これ以降クラプトン・バンドに加わるジョージ・テリーの勧めだったといいます。
Burnin
テリー(g)、デレク&ザ・ドミノス時代の盟友のカール・レイドル(b)、オクラホマ州はタルサ周辺のローカルバンド出身のジェイミー・オールデイカー(ds)とディック・シムズ(kb)に、ロック・オペラ「Jesus Christ Super Star」のロンドン・キャストで、マリア役だったイヴォンヌ・エリマン(vo)を加えた新バンドは、74年から積極的にツアーに繰り出しますが、8月にタルサバンド人脈で加わったマーシー・レヴィ(vo,harmonica)を加えた編成で、74年12月ロンドンのハマースミス・オデオンで行ったライヴがそっくり、04年リリースの「Ocean」のDeluxe Editionに組み込まれています。
チャーリー・チャップリンの"Smile"*2で始まるこのライヴは前半にアコースティックな曲を並べ、クリーム、ブラインド・フェイス、ドミノス時代のレパートリーを交えたベスト的な選曲となっています。出たばかりの「Ocean」から、"Let It Grow"と"Sheriff"が収められていますが、どちらも名演。ぼくとしてはクラプトンのg以上に、女性コーラス陣、シムズのorganを含むアンサンブルの妙に注目したいです。

77年のOld Grey Whistle Testから。

こちらはボブ・マーレー&ウェイラーズのオリジナル。

*1:オリジナルは73年の「Burnin'」から

*2:"Tears In Heaven"の元ネタでしょうね