職業#9

NIGHT MUSIC
■The Envoy / Daryl Way's Wolf
外交特使だっけ?
violinの入ったロックというのがもてはやされた事があります。イギリスでは、カーヴド・エアーのダリル・ウェイ、キャラヴァンのジェフリー・リチャードソン、イースト・オブ・エデンのデイヴ・アーバス、UKのエディ・ジョブソン、クリムゾンのデイヴィッド・クロス、アメリカでは、イッツ・ア・ビューティフル・デイのデイヴィッド・ラフレイム、フロックのジェリー・グッドマン、カンサスのロビー・スタインハート。他にもディディエ・ロックウッド、デイヴィッド・ローズ、ジャン・リュック・ポンティなどフランスではジャズ系〜ジャズ・ロック系のviolin弾きが多いですが、大体がプログレ的なニュアンスを持っているのがおもしろいです。
カーヴド・エアーは女性voのソーニャ・クリスティー*1とウェイの2枚看板をもったバンドでした。

73年にエアーを脱退したウェイが結成したのがダリル・ウェイズ・ウルフで、Deramに3枚のLPを残しています。僕はロック・ヴァオリンの熱心な聞き手でないため、あまり集中して聞いた覚えはないですが、ジョン・エサリッジ(g〜後にソフト・マシーン)、イアン・モズレー(ds〜後にマリリオン)、デク・メセカー(b,vo〜後にキャラヴァン)とメンバーはいずれもウルフを踏み台にしてキャリアアップを図っているかのようです。
いちばん有名なのは、クリムゾンのイアン・マクドナルドがprodした1枚目の「Canis-Lupus」('73)ですが、これは叙情的な"McDonald's Lament"が知られてますが、僕にはメロウすぎました。74年の最終作「Night Music」では、voを強化するためイフのジョン・ホジキンソン(vo)が参加して5人組となっています。オープニングに収められた"The Envoy"は、キャラヴァンを思わせる出来で、なかなかの力作。g-ソロというよりはコードをカッティングするエサリッジのプレイも実はかなりカッコいい。74年という時代的なこともあるのかもしれませんが、ファンク的なものとプログレって相容れなかったはず。他の曲も聞いてみたくなります。
そうです。実はこの「Night Music」はアルバムとしては未聴です。今聴いているのは、Decca〜Deramの英ロックのボックス「Legend Of A Mind」でムーディー・ブルーズから始まってウルフで終わる濃いラインナップ。リーフハウンド、ザカライアス、ルーム、ヒューマン・ビーストといったレアなバンドも収録しています。
Legend of a Mind

*1:後にメンバーとなったスチュワート・コープランド(のちにポリス)夫人となりますが離婚