Sunday#2

Best of the Sunshine Company
■Sunday Brought The Rain / Sunshine Company
サンシャイン・カンパニーは南カリフォルニアで結成された男女混成グループで、今ではソフトロックの範疇に入りそうな5人組です。活動期間は2年でImperialに3枚のLPを残しています。紅一点のメアリー・ナンスを配してはいますが、大半がユニゾンのコーラスで、ハーモニーの妙を楽しむ感じではありません。ヒット曲の"Back On The Street Again"*1や"Happy"は耳当たりはいいのですが、そこで止まってしまう気もします。

オリジナル・アイテムはCD化されていませんが、米Collector's Choice Musicと英Rev-Olaからコンピレーションが出ています。手持ちは前者で、意外な人の意外な曲があっておもしろいです。
ロジャー・ニコルス&スモール・サークル・オブ・フレンズのLPにも入っていた"Just Beyond The Smile"は、オリジナルに比べると評判がよくないですけど、曲の良さに救われています。"I Need You"はジョージ・ハリスンビートルズ時代のレパートリー。"Look Here Comes The Sun"は、ジョン&テレンス・ボイランの共作でちょっとびっくり(ただし曲は古くさいフォーク調のもの)。"Sunday Brought The Rain"は、グレッグ・オールマンの曲ですが、オールマン・ブラザーズ・バンド以前のもので同時期のアワーグラスのLPにも収録されていません謎の曲(アワーグラス自体もレーベル(Liberty)主導のポップ・グループだったので、泥くさい感じはいっさいないです)
短命に終わったサンシャイン・カンパニーですが、リズム・セクションのラリー・シムズ(b)とマール・ブリガンテ(ds)は、その後ロギンズ&メッシーナのバックで活躍していました。
ママス&パパスの成功以降、こうした男女混成のヴォーカル(&インストルゥメンタル)グループは、雨後の筍の様に数多く現れました。ラヴ・ジェネレーション、ラヴ・エクスチェンジ、エターニティ・チルドレン、ペパーミント・レインボー、スパンキー&アワー・ギャング、ディープ・シックス、オクトーバー・カントリーなど。その多くがハッピーでピースフルな世界を打ち出していたのは、現実がそれほどハッピーでも、ピースフルでもなかったわけなのでしょうが、時代のニーズがポップからロックに移行しつつあった、60's末には、その多くは消えてしまい、こういう虚構の世界は全く時代遅れなものと位置付けられていました。それでも時代が一回りして、こういった音楽はハーモニー・ポップ、サンシャイン・ポップとして再び新たなそして深い評価の対象になりましたが、それはそれでまたいくつかの問題をはらんでいました(まあやめときましょう)。
Love Exchange 「Love Exchange」
Let the Good Times In: Very Best of 「Let The Good Times In」
Will You Be Staying After Sunday 「Will You Staying After Dunday」
OCTOBER COUNTRY 「October Country」

*1:作者はsswのスティーヴ・ジレット