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JACK TEMPCHIN[BRIDGE097]
■Peaceful Easy Feeling / Jack Tempchin
イーグルスの72年のデビューLP「Eagles」には、3つの重要な(そして1つのどうでもいい*1)カヴァー曲が収められてました。ジャクソン・ブラウングレン・フライが共作(実際はほとんどがジャクソンが作った)した"Take It Easy"、バーズのジーン・クラークがディラーズのダグ・ディラードと結成したディラード&クラークの"Train Leaves This Morning"、そしてジャック・テンプチンのこの"Peaceful Easy Feeling"です。"Peaceful Easy Feeling"は、ここから3枚目のシングルとしてカットされ#まで上がったヒットとなりました。バーニー・リードンの弾くゆるやかなstringsbenderが印象的な典型的なカントリー・ロック・ナンバーで、メンバーの暖かなハーモニーの妙が楽しめます。
イーグルス・ファースト
その作者のジャック・テンプチンの名前が知られるようになったのは、イーグルスの3枚目「On The Border」で再び"Already Gone"が取り上げられた頃でしょうか?こちらは、RCAからLPを出しているsswのロブ・ストランドランドとの共作でしたが、2度もイーグルスがとり上げたこの男何者?という興味が熱心なファンの間ではあったようです。76年にはそのテンプチンがリチャード・ステコル(g,vo)、ジュールズ・シアー(g,vo)、グレッグ・リーズ(steel)、ビル・ボーダイン(b)、フランク・コンティノーラ(ds)と結成したファンキー・キングスがAristaからデビューし、いよいよ!という中あっけなく解散。
UNKY KINGS(紙ジャケット仕様)[BRIDGE096]
78年にようやく出した初ソロ「Jack Tempchin」には、6年たってようやく作者による"Peaceful Easy Feeling"が聞けた次第です。
83年にソロで来日したグレン・フライ(「No Fun Around」を出したばかりでした)がnew versionとして紹介したこの曲のアコースティックなarrが、そのまんまテンプチンのソロ・ヴァージョンと知ったのは、このソロを買った90's初め*2でした。ジェニファー・ウォーンズ(同じAristaのレーベル・メイト)の清々しいvoが印象的です。実はこのソロすでに手放してしまってますが、マッスル・ショールズ録音で、プロデュースも兼ねたピート・カーの泥くさいスライドが入った曲があったり("Stingaree")、ホワイトソウル風のバラードがあったりと、グレン・フライのソロ初期の志向に近いものがあります(実際テンプチンの名前が一線から消えた80's以降、フライのソロには彼の名前がありました)。まあ手放した理由はそれだったのですが、それでもトム・ウエイツとの共作とクレジットがある"Tijuana"は、ランディー・マイズナーのカムバックに寄せた"One More Song"の元ネタだったりとニヤリとさせられます。
90'sに入るまでテンプチンの名前はすっかり忘れられていましたが、ドイツのレーベルでCDをリリースしてた様で、日本ではウエスト・コーストの音楽を専門にしたレーベルKAIGAN*3から編集盤が出てたことがありますが、そういう話を聞いたのは、オーリアンズのライヴで近くの人たちが話していたのを立ち聞きしてたのでした。

*1:もちろんそれはジャクソン・ブラウンの"Nightigale"で埋め草的に使われてました

*2:確か西新宿のDisk Ageだったかな。一時期結構な値段がついてましたが、1500位で買ったと記憶しています

*3:ハッキリ言って好みの問題でしょうけど、こうした日本のレーベルってどうも肌に合わないのです。それでもここは「Rock And Roll Doctor」というローウェル・ジョージ・トリビュートを出したからまあいいか