you#3

Happy Daze
■You Put The Laft Of Me / Lindisfarne
73年から始まる第2期リンディスファーン*1は、初期のフォークロック的な世界とは少し趣を変え、パワー・ポップ的な音にもなっています。ロッド・クレメンツ、サイモン・カウ、レイ・レイドロウの3人がより真摯なフォーク的な世界へ進む、ジャック・ザ・ラッドを結成して、バンドは一度解散。その後アラン・ハル(g,vo)、レイ・ジャクソン(mand,harp,vo)にベル&アーク*2のトム・ダフィー(b,vo)、ジンジャー・ベイカー&エアフォース*3のケン・クラドック(kb)、ジャクソン・ハイツ*4のチャーリー・ハーコート(g)、後にウィドウメイカ*5のポール・ニコルス(ds)の6人組となり、
Bell & Arc    Ginger Baker's Air Force
Ragamuffins Fool/Bump 'n' Grin    ストレイト・フェイスド・ファイターズ
73年には「Roll On Ruby」をリリース。これは僕としてはまったくいただけない作品でしたが、次の「Happy Daze」('74)では、少し持ち直しています。僕の手持ちはまったく違うイラスト(無人島に住むゴリラの親子(?)にジョーズならぬ鮫が向かう、という何とも意味不明の裏ジャケでした)の米盤LP(Elektra)ですが、オリジナル仕様で最近CD化されました。

プロデュースは、イエスで知られるエディー・オフォードですが、これが適任なのかはよくわかりません。初期にはあまりなかった力強いポップナンバーは、新メンバーのダフィー(ここでは3曲書いています)が持ち込んだものでしょう。"You Put The Laft On Me"は、ダフィーの弾くbassのラインがくっきりですし、クラドックの弾くmelotronが隠し味的に使われてたりとそれまでのリンディスファーンのイメージとはやはり違います。
イメージ違いといえば、1曲目の"Tonight"でのパワー・ポップなダイナミズムは今までなかったものです(これはダフィー作ですが、同じダフィー作の"Juiced Up To Lose"は、ザ・バンド的です)。ハルの調子が上がらなかったのか、6曲でジャクソンがリードvoを取るなど、ジャクソン色が濃いのも特徴のアルバムです。それでもメンバー全員が順番に歌う、"In Your Head"(作者はクラドックです)は、harpといいたまらなくリンディスファンタスティック!
同じ時期のBBCライヴを集めた「Dealers Choice」('98)というCDもあります。
Dealers Choice

*1:このバンド名はイングランド最北、スコットランドとの境界にある、ノーサンバーランド州にある小さな島、リンディスファーン島から取られています。7世紀に修道院が作られ、イングランドキリスト教の発祥とされています。潮が引けば歩いて本土と通行できるとか。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%B3%E5%B3%B6

*2:71年にDeccaから1枚LPを出しているアーク(Arc)にスキップ・ビファティー(メンバーのジョン・ターンブルとミッキー・ギャラガーはここにいました)のグラハム・ベルが加わった形で1枚、CharismaにLPがあります

*3:ブラインド・フェイス解散後、ベイカーが志向した大所帯のアフロ・ロック・プロジェクト。と言っても後のワールド・ミュージック的な物とは程遠く、あくまでも白人の視点

*4:ナイスのリー・ジャクソンが中心となったプログレ・バンドだけど、フォークロック的というか優しげなメロディーの曲も多し

*5:モット・ザ・フープルのアリエル・ベンダー(g)、ラヴ・アフェア、エリスのスティーヴ・エリス(vo)、ホークウインドのロイド・ラングトン(g)、サヴォイ・ブラウンのボブ・ディズリー(b)にニコラスから成るハードロック・バンド。76年にJetからデビュー