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MAVERICK
■Willie & The Hand Jive / George Thorogood & The Destroyers
実は(こればっかり)ジョージ・サラグッドもあんまり知らないのです。イメージで言うと、ブルーズとブギ中心のアメリカのパブロックみたいなものでしょうか?
デラウエア出身で74年に結成されたデストロイヤーズは、ジェフ・サイモン(ds)、ビリー・ブロウ(b)、ハンク・カーター(sax)、ロン・スミス(g)、そしてサラグッド(g,vo)になります。デビューはRounderからで77年の「George Thorogood & The Destroyers」ですが、78年の「Move It Over」は日本では日本コロムビアからリリースされていた記憶があります。ジョー・リン・フッカー、エルモア・ジェームズ、アール・フッカー、ボ・ディドリー、ロバート・ジョンソンなどブルーズのカヴァーが多いですが、それを自分の物に料理する腕前は、日本の(シーナ&)ロケッツに近いものがあります。
レーベルをEMI Americaに移しての2枚目となる、85年の「Maverick」からシングル・カットされた"Willie & The Hand Jive"は、#63まで上がるサラグッド唯一のヒットとなりました。80'sというとこういうブルーズに根ざした音楽は時代遅れと、メインストリームから外れ隅に追いやられていましたが、少なくともライヴに関しては、こういうシンプルなバー・バンドは、スタジアム・ロックが流行ろうが、ブリティッシュ・インヴェイジョンだろうが、ずっと続いていたと思います。ただ当時の聞き手の一人として、言い訳させてもらうと、旧譜のカタログがCDの登場によって活性化する以前は、こうしたブルージーなロックのルーツとなるものはなかなか聞くのが困難で、代用品として聞いては見たものの、CDで手軽に旧譜が聞けるようになると、スーッと興味が引いて行ってしまったのです(ジェフ・ヒーリーしかり、ジョージア・サテライツしかり)


この有名な"Willie & The Hand Jive"は、ジョニー・オーティスの58年のヒットです。このオーティスという人は、ピアノを弾きながらなかなか素晴らしいグルーヴを醸し出しますが、この曲がギター・オリエンテッドなナンバーとしてよみがえったのは、エリック・クラプトンが「461 Ocean Boulvard」で取り上げたものの影響でしょう。