running#2

Zenyatta Mondatta (Dig)
■When The World Is Running Down, You Make The Best Of What Is Still Around / The Police
デビュー当時のポリスは大好きでした。他のニュー・ウェイヴの連中にないポップな感じがゆがんだり、ねじれていない(そういうのもまたいいんですが)形であって、それは元カーヴド・エアー、元アニマルズ、元高校教師(!)という3人のキャリアから来るものなのかもしれません。ホワイト・レゲエなんて当時は言われてました。デビュー当時年齢をサバ読んで若作りし、わざと下手なふりをしたテクニシャン集団、ポリスが、いよいよ本性を発揮し始めたのが80年の3枚目「Zenyatta Mondatta」です。
ワールドツアーのさなかにレコーディングされ、完成と同時にツアーに戻るという多忙を極めた時期の作品にも関わらず、どの曲もよくできています。それまでのシンプルなロックンロールから、いろいろな音楽(ワールドツアーの関係で中東的なメロディ、リフもあります)とのミクスチャーな世界で、僕はポリスがすごく技巧的になったと当時思いましたし、なんとなく距離が開いたなあと感じた1枚でもありました。
オープニングの"Don't Stand So Close To Me"は"高校教師"という邦題がついて日本でもヒットしましたが、続く"Driven Tears"、そしてメドレーに様に歌われる"When The World〜"は、とても3人による演奏とは思えないほどの完成度でした。とりわけいつもながらの手数の多い、スチュワート・コープランドのdsとg-syntheを含めてguitarの新たな可能性に挑戦した様な(同じようなことをキング・クリムゾンエイドリアン・ブリューにも感じていました)アンディー・サマーズのgが印象的です。

結果的に次の「Ghost In The Machine」はあまり聞いた覚えはないのです。