you are#3

Laura Allan
■Come As You Are / Laura Allan
最近ではローラ・アレン(Laura Allen)という女優もいるらしいし、ゴングの初期のdsがローリー・アレン(Laurie Allen)だったりと紛らわしいですが、ローラ・アラン(Laura Allan)はLA出身のsswです。ライターの除川哲郎さんによると「裏ヴァレリー・カーター」(!) Elektraから出た78年のデビュー作は当時「LAギャル」という悶絶させられる邦題がついてましたが、内容は素晴らしい。時代がらAORと混同されていますが、プロデューサーがチャック・プロトキンですから(ウェンディー・ウォルドマンと親交がありました)から、フォーキーなイメージ満載です。ローラ自身dulcimarやkarimba、zitherといった楽器(日本盤CDのライナーで除川さんは「三種の神器」と呼んでます)をこなすバリバリの「レディーズ・オブ・ザ・キャニオン」なのです。
当時のLAの著名なスタジオ・ミュージシャンがこぞって加わっています。名前を挙げると、リンダ・ロンシュタットのバンドからローニンを結成したワディ・ワクテル(g)とリック・マロッタ(ds)、当時アティテューズのジム・ケルトナー(ds)、ジャクソン・ブラウンの「Late For The Sky」で知られるジェイ・ワインディング(kb)、セクションのリー・スクラー(b)、クレイグ・ダーギー(kb)、TOTOジェフ・ポーカロ(ds)、ファンキー方面では有名なチャック・レイニー(b)、リトル・フィートビル・ペイン(kb)、サンズ・オブ・チャップリンのビル・チャップリン(vo)、のちにJTのコーラス隊となるアーノルド・マッカラー(vo)とロージーのデイヴィッド・ラズレー(vo)etc
キラー・チューンとも言えるのがオープニングの"Opening Up To You"と"Slip And Slide"ですが、続く"Come As You Are"も素晴らしい出来で、スモーキーなローラの歌声が印象的です。コーラスではウォルドマンとペニー・ニコルズ*1の名前も見られます。
うれしい事にヴィヴィッドから出たCDには、10曲のボーナストラックが入っています。Elektra以前のABCと契約しながらアルバム完成までいたらなかった75〜6年頃の音源で、Elektra盤に収められた曲のアーリー・ヴァージョンも多いです。こちらにはデイヴィッド・リンドレーをフィーチャーし、lapsteelがうなる"Looking At You"など名演多し。
僕はずっとリーダー・アルバムはこれ1枚だと信じていたので、96年に「Hpld On To Your Dreams」が出た(しかも日本盤も出た)と知った時にはビックリでした(その間にニュー・エイジ風の「Reflections」('80)というのもあったらしいです)。
Hold on to Your Dreams
そして99年の「Telegraph」は傑作でした。それ以降新作が途絶えてますが、いつの日かきっと素敵な便りを届けてくれるでしょう…
Telegraph

*1:オレンジ・カウンティ周辺の女性フォーキーssw。ジャクソン・ブラウン、スティーヴ・ヌーナンらとの親交もありました