got#3

Old Hat
25■We Got Time / Uncle Dog
アンクル・ドッグは、デリヴァリーというジャズ・ロック・バンドでvoを取っていたハスキー・ヴォイスの女性シンガー、キャロル・グライムズ(vo)と60'sにImmediateからアルバムを出していたデュオ、デイヴィッド・スキナー(vo,kb)が結成したパブロック風味のバンドです。他にはココモのテリー・スタナード(ds)、フィリップ・クルックス(g)、初期のロキシー・ミュージックのメンバーで80'sにはプロデューサーとして活躍する、ジョン・ポーター(b,g)、サム・ミッチェル(slide)の4人を加えた6人組で、72年に唯一の「Old Hat」(Signpost)をリリースしています(半数近くの曲でdsを叩いてるのはエヴリワンのジョン・ピアソンです)。グライムズというとジャニス・ジョップリン・タイプのシャウターという印象があったのですが、ここではバンドの音楽がいささか枯れ気味な事もあって、気張ってシャウトするという感じではないです。明らかにザ・バンドの影がありますが、ノスタルジックなムードのナンバー、メンフィス・ソウルの影響を受けたものまで幅広いです。裏ジャケットには飲みながらくつろぐメンバーのショットがありますが、まさにそんな感じの気のおけない音楽です。
この"We Got Time"は、ノー・クレジットですがフリーを辞め、バック・ストリート・クローラーを結成したポール・コソフが熱っぽいgをプレイ。さりげないホーンズがR&Bへの憧憬を明らかにします。arrとしてはジョー・コッカーの"With A Little Help Fron My Friends"を思わせます(特に後半)。
ディランとプレスリーのカヴァー以外はすべてスキナーの作品で、実質上のリーダーだったんでしょう。アンクル・ドッグ解散後、パブ・ロックのクランシーに参加、2枚のLPをリリース後、ジョン・ポーターの勧めでブライアン・フェリーのソロに参加。ここでロキシー人脈とつながりをつけ、フィル・マンザネラの801後期にも参加。その流れで再結成ロキシーのツアーでもサポートをしています。