sing#3

EXTRACTION / FOOTPRINT

EXTRACTION / FOOTPRINT

35■Sing A Song / Gary Wright
アメリカ人kb奏者、ゲイリー・ライトが一般的にスポットライトを浴びるのは、76年の"Dream Weaver"ですが、60's末から第一線で活動してたという古いキャリアの持ち主です。
68年にデビューした英国人バンド、スプーキー・トゥースにorgan,voとして参加。すでにpiano担当でシンガーのマイク・ハリソンがいたこのバンドは2台のkbとvoでザ・バンド的なムードを漂わせる事もありましたが、基本線はサイケデリックとヘヴィ・ロックの路線でした。
Spooky Two (Dig)

Spooky Two (Dig)


70年に音楽的な相違でバンドを離れると、A&Mから71年に「Extraction」というアルバムでソロデビューします。日本で最初に紹介されたのが78年ですから、相当見過ごされていた1枚ですが、悪くはありません。マンフレッド・マンの(というよりも「Revolver」のジャケットで有名な)クラウス・ヴーアマン(b)、スプーキーズからマイク・ケリー(ds)、ムーヴのトレヴァー・バートン(b)、ジェスロ・タル〜ブロドウィン・ピッグのミック・エイブラハムス(g)、ポール・マッカートニーの「Ram」に参加した事で有名になったNYのセッション・マン、ヒュー・マクラッケン(g)、ハッピー・マガジン〜プラスティック・オノ・バンドのアラン・ホワイト(ds)がバックをつけています。
アルバム全体は、メロディー的にはやや硬く、少なくともメロディアスというには少々難があります。それでもこの広がりのあるメロディーを持った"Sing A Song"は、一番の出来です。ヘヴィさでは、"I Know A Place"、"The Wrong Time"(くしくもライト脱退後のスプーキーズも「The Last Puff」でカヴァーします。バンドはその後解散してしまいます)といったナンバーに軍配が上がります。
セカンドの「Footprint」('72)では、キング・カーティス(sax)、コリン・アレン(ds)、ジェリー・ドナヒュー(g/フォザリンゲイ)らゲストを迎えますが、一番の驚きはジョージ・オハラ名義で参加したジョージ・ハリソンでしょう。

この時期ワンダーホィールというバンドを率いてツアーを行っていますが、bassのアーチー・リゲット(このあとケヴィン・エアーズのバンドに加わって、「Bananamour」に参加)以外の3人(ライト、ミック・ジョーンズ(g)、ブライソン・グラハム(ds))は、解散したスプーキーズのマイク・ハリソンと合流して、スプーキーズが再結成されるのです。このメンツで5枚目の「You Broke My Heart…」をリリースするのです。
You Broke My Heart So I Busted Your Jaw

You Broke My Heart So I Busted Your Jaw