money#3

45■Money Honey / Bay City Rollers
76年に洋楽に目覚めた僕は、BCRの日本でのピークと言うか、盛り上がりを実体験してますが、あの頃の日本でのリリース状況とと先日CD化されたアイテムを見てみると、微妙なズレを感じます。
70年のレコード・デビュー以前には後のパイロットのデイヴィッド・パットンとウィリアム・ライオールも参加していたという事ですからスコットランドは、エディンバラでは有名な存在だったようです。初代voのノビー・クラークのものは聞いたことがないのですが、73年に脱退後、レスリー・マッコーエン(vo)が加わって全盛期の母体が出来上がります。ちなみに初LPは74年の「Rollin'」ですが、Bellからのリリースながら僕は「エジンバラの騎士」という邦題の東芝EMI盤を見た記憶があります(Aristaから再発された?)*1。日本デビューではセカンドの「Once Upon A Star」(こちらは変形ジャケでCBSソニーから出てました)の方が早いのかもしれません。シングルで言えばこのセカンドに入った"Bye Bye Baby"、(オリジナルはフォー・シーズンズ)、そして実はクラーク時代ナンバーの再演で、「Rollin'」に収められた(voはマッコーエン)"Saturday Night"のヒットで日本では本格的に人気が出たようです。ちなみに73年から75年にかけては、英グラナダTVで番組を持っていたこともあり、グラム〜ポップなヒット曲を連発。とりわけサーフィン・ヒットのルーターズの"Let's Go"('62)をルーツとしたグリッター・リズム、と言われる「チャッチャッチャチャチャ、チャチャチャチャ チャッ」というリズムパターン(言うまでもなく"Saturday Night"ですね)をベースに数々のグラムヒットを生んだ、ソングライター・チームのマーティン&コールターで、この時期のBCRを手がけています。ただM&Cのもとでは、実際の演奏もスタジオ・ミュージシャンが行っていたらしく、新たにフィル・ウェインマン(マッドやスウィートを手がけた人との事)のもとで完成したのが先のセカンドです。
さて、僕の記憶ですと、BCRの人気が一番盛り上がったのは、一連のメンバー交代の時期でしょう。最年長アラン・ロングミュアーが脱退し、イアン・ミッチェルが参加。"Dedications"(青春に捧げるメロディー)という何ともセンチメンタルなナンバー(大きな声では当時言えませんでしたが、大好きでした)のシングルを出し(プロデュースはGFRで知られるジミー・イエナーで、彼らは活動の拠点をアメリカに移していたのです)、まもなく脱退し来日公演に、後任のパット・マッグリンが参加。同じくしてミッチェルがロゼッタ・ストーンを率いてクリームの"Sunshine Of Your Love"のカヴァーでデビュー。マッグリンも間もなく脱退し、スコッティーズを率いて来日、と日本の少女たちをターゲットにしたビジネスを展開。76〜77年のアイドル的な人気は、現在のジャニーズ系をしのぐものでした。
さてこの"Money Honey"は、76年にリリースされたシングルで、僕が最初に買ったBCRのシングルでした。ハードなイントロから、コーラスが重なる部分などなかなかよく出来たパワー・ポップです。


ただまあ好みでしょうが、素肌にジャケットを羽織ったアイドル・マナーやあのローラーギアと言われるユニフォームはいかにもダサい…

*1:Bellは当時はCBSソニーからリリース。その継承レーベルのAristaもソニー東芝〜フォノグラムと日本でのレーベルを変えてます