gone#2

Desolation Angels

Desolation Angels

74■Gone Gone Gone / Bad Company
リアルタイムのバッド・カンパニーはポール・ロジャースが法被を着たジャケットの「Burning Sky」ですが、ちゃんと聞いた新作は79年の「Desolation Angels」です。IslandからSwan Songに移籍して、ヒプノシスの奇妙なジャケットに包まれた1枚。思えば高校時代、ロック好きな連中は、ゼッペリン、パープル、クラプトン、ベック、ジミヘン、そしてウィッシュボーン・アッシュとバドカン好きというのが多かったです(もちろんクイーン、キッス、エアロスミスの御三家は女子を中心にシンパは多かったですし、ボウイやロキシー、ジャパン好きな子たちもいました)。決してハードロックではないけど、ストーンズやフェイシズタイプのロックンロール・バンドという認識だった覚えです。みんなこぞってファーストは持ってた気がしますが、昔も今も大好きなのはセカンドの「Straight Shooter」です。
ストレート・シューター

ストレート・シューター

さて「Desolation Angels」は何とも味気ないジャケットで、細かいクレジットもなかったと思います。アメリカのハイウェイ沿いのスタンドといった印象もあるので、どことなく米南部志向(この傾向は次の「Rough Diamond」で更に強くなります)が感じられます。"Take The Time"、"Oh Atlanta"(リトル・フィートとは別曲)なんてタイトルからしてそうでしょう。最初のシングル"Rock & Roll Fantasy"に続いてカットされた"Gone Gone Gone"は、ミック・ラルフスのスライドが聞けます。たとえばgのフレーズ一つとってもデビュー当時の熱さは冷め、投げやりな印象もあります。先に南部志向と書きましたが、南部に限らずアメリカナイズされた、より大衆的なハードロック路線ではあります。

さて僕のようなロートルにとって、バッド・カンパニーとは、ポール・ロジャース(vo)をフィーチャーした4人組ですが、シングル曲の売り上げでは、このオリジナル時期よりも再結成時の方が上の様です。86年にラルフスとカークを中心に再結成したバンドは、テッド・ニュージェントのvo、ブライアン・ハウを加えた編成で、いかにも80's的なメロディアスな産業ロックを展開。数曲のトップ10ヒットがあります。