米都市#3

ジェシ・デイヴィスの世界

ジェシ・デイヴィスの世界

89■Tulsa County / Jesse Davis
スワンプロックの名盤として知られたジェシ・デイヴィスのファースト、「ジェシ・デイヴィスの世界」は70年にリリースされています。タジ・マハールのバンドを経てソロになった形ですが、リオン・ラッセルとの交流から、このロンドン録音にも豪華なゲストが加わっています。エリック・クラプトン*1、リオン・ラッセル、LA・ゲッタウェイのジョエル・スコット・ヒル(g)、スティーヴ・ミラー・バンドのベン・シドラン(kb)、シェルター・ピープルのチャック・ブラックウェル(ds)、ジョン・サイモン(kb)、アラン・ホワイト(ds)、ベターデイズのビル・リッチ(b)、グリース・バンドのブルース・ローランド(ds)、ストーン・ザ・クロウズのスティーヴ・トンプソン(b),etc…
クラプトンの鋭いgをフィーチャーした"Washita Love Child"、ディキシー風のホーンズ(ジェリー・ジャーモンヴィル、ジム・ゴードンら)の入った楽しい"Every Night Is Saturday Night"、ロジャー・ティリソンが書いてハーツ&フラワーズが歌った"Rock'N'Roll Gypsies"、ヴァン・モリソンの"Crazy Love"などの名演がつまったこのアルバムでは、"Tulsa County"は目立たない地味なナンバーですが、ユーモラスな表情をたたえています。飄々とした感じもまた素晴らしい。後期バーズの傑作「Ballad Of Easy Rider」に収められた、パメラ・ポランドの曲。ポランドは、ジェントル・ソウルというデュオにいた人で、ジャクソン・ブラウンオレンジ・カウンティ時代のサークルではアイドル的な存在だったこともあります*2。72年のソロは近年CD化されました。
パメラ・ポランド(紙ジャケット仕様)

パメラ・ポランド(紙ジャケット仕様)

タイトルにあるタルサとは、リオンの出身地でもあるオクラホマ州タルサの事でしょう。ジーン・ピットニーの"24 Hours From Tulsa"、エリック・クラプトンもやったJJ・ケールの"Tulsa Time"、ニール・ヤングの"Last Trip To Tulsa"など、結構いろいろな曲があります。

*1:クラプトンの参加が危ぶまれた「Concert For Bangladesh」にクラプトンの保険としてジェシが参加したのは有名なエピソードです

*2:ジャクソンのハイ・スクールの先輩、グレッグ・コープランドと結婚していたこともあります