world#2

Gilgamesh

Gilgamesh

99■Worlds Of Zin / Gilgamesh
「不思議な宝石箱」という邦題とかわいらしいジャケットが印象的なギルガメッシュのファーストは、75年にVirgin傘下のCarolineからリリースされました。いわゆるカンタベリー派と呼ばれる集団の中にあって、ご多分にもれずギルガメッシュもメンバーチェンジを繰り返して来ました。中心となったのは元アサガイのアラン・ガウエン(kb)で、最初のラインナップはジェフ・クライン(b〜元ニュークリアス、アイソトープ)、マイク・トラヴィス(ds)、リック・モアクーム(g)、アラン・ウェイクマン(sax〜後にソフト・マシーン)の5人でした。73年にはフィル・リー(g)、ニール・マレイ(b〜後にホワイトスネイク)、ガウエン、トラヴィスの4人となりますが、マレイに代わってCMUのスティーヴ・クックが参加するも、復帰したクラインと交代して、デビュー作のレコーディングとなります。その後解散したハットフィールド&ザ・ノースのデイヴ・スチュワート(kb)が加わることによってバンドは、ナショナル・ヘルスへと移行してゆくのです。
僕がカンタベリー系の音に興味を持った80's初めには、当然ながら割高な英国盤LPを、「Fool's Mate」誌の難解な解説を読みつつ想像を膨らませて、清水の舞台から飛び降りるようにエイッと買ったものでした(大体は黒川のマッコイでした)が、大半は想像と違ってなかなか厳しい世界だったものです。ちょうどその頃ソフト・マシーンのヒュー・ホッパー(b)が加わった再結成ギルガメッシュの「Another Fine Tune You've Got Me Into」(Charly)が棚を飾っていたこともあって、ビクターから初めての日本盤LPとなった前述のファーストを買った次第。その時点でハットフィールズのファーストは聞いてたと思いますが、そちらに比べると華やかさに欠けるというか、ガウエンとスチュワートの弾く、pianoとorganの違いかもしれませんが、よりジャズ的な印象を受けました。
Another Fine Tune You've Got

Another Fine Tune You've Got

この"Worlds Of Zin"は、"One End More"から始まる3曲のメドレーのファイナルを飾るもので、フィル・リーの熱を帯びたgソロが印象的でした。どちらかというとクールな印象のこのアルバムに合って、少し意外です。
00年に米Cuneiformからリリースされた発掘音源「Arriving Twice」でも2ヴァージョン収録していますがどちらも面白いです。
Arriving Twice

Arriving Twice