everybody#2

- アーティスト: American Spring
- 出版社/メーカー: See for Miles UK
- 発売日: 1994/12/16
- メディア: CD
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さほどビーチ・ボーイズに思い入れがない僕でも、逆にハニーズとかスプリングには思い入れがたっぷりあります。始まりはやはり山下達郎の放送だった覚え。タツローが80'sにカヴァーしたビーチ・ボーイズの"Darlin'"の元ネタというか、歌詞違いの曲がブライアン・ウィルソンがシャロン・マリーに書いた"Thinkin'Bout Baby"でした。その曲を70'sに入ってカヴァーしたのがスプリング。当時のブライアン夫人のマリリン・ウィルソンとダイアン・ローヴェルの二人組で、60'sにはジンジャー・ブレイクを加えてハニーズを名乗っていたガール・グループです。スプリングの唯一のアルバムは、72年UAからひっそりとリリースされましたが、この時期ビーチ・ボーイズの人気は決して好調とはいえず、ブライアンの精神状態も一進一退を繰り返し、グループはカール・ウィルソンのがんばりでもっていた感じがあります*1。不調を訴えていたとはいえ、これほどまでに素晴らしい出来のアルバム(スプリングの事)を作り上げた*2ブライアンの才能はさすがです。
88年にRhinoからCD化された際、僕は大須の円盤屋で買っていますが、「Surf's Up」級の傑作という評判は決して誤りではなかったです。のちにアメリカン・スプリングとしてリリースされたシングルを加えたものですが、英See For Mlesからの同内容の編集盤が出ていますがどちらもジャケットがチープです。オリジナル・カヴァーはたった一度見たことがありますが壁の花でした。ネットで探してもなかなか画像すら見つかりません。
さて僕の好きな70'sのビーチ・ボーイズは、「Sunflower」に始まるメロディアスな世界なのですが、これをそのまま継承しガール・サウンドに仕上げたスプリングは、カリフォルニア産のポップス好きにはマストの1枚でしょう。シレルズの"Mama Said"、ビーチボーイズの"Forever"、"This Whole World"、シティの"Now That Everything's Been Said"などのカヴァーに交じって、冒頭のトミー・ロウのカヴァー"Everybody"は、60'sのガール・グループ・サウンドの70'sヴァージョンで期待が高まります。
トミー・ロウのオリジナルは聞いたことなかったのですが、探したらありました。
トミー・ロウといえば、僕はバディ・ホリー・スタイルのロックンローラーという認識だったのですが、ソフト・ロックが盛り上がった時代には、ミレニウアムのカート・ベッチャーがプロデュースした"Now It's Winters Days"('67)によって再評価されました。とはいってもそのキャリアが全て紹介されたわけではないですが…