heat#3

Asia

Asia

211■Heat Of The Moment / Asia
なるべく否定的なばかりは書かないようにしてはいますが、エイジアです。産業ロックと書いて批判が起きるのなら、大げさで大味なロック、風呂敷を広げすぎたロックと書いておきます。プログレッシヴ・ロックが袋小路に入った頃、ニュー・ウェイヴ路線に活路を見出した者*1、「信念」に基づいてルーツ返り(この場合はジャズ系に多し)した者*2、開き直ってポップ路線を歩んだ者*3とか様々でしたが、エイジアの場合は3つ目のグループです。クリムゾンのジョン・ウェットン(b,vo)、ELPカール・パーマー(ds)、イエススティーヴ・ハウ(g)とジェフ・ダウンズ(kb)から成るスーパー・グループで、82年にリリースされた「Asia」(Geffen)は計算されつくした80's型大型ポップ・ロックで、さすがに当時の僕も違和感を覚えました(一番はこんなに短い曲でいいの??)。
もともと歌い上げるうちに自分に酔ってしまってるウェットンのvoは、好きではないのですが、過度な抒情性を体から大量放出したような曲が並ぶなか、シングルにもなった"Heat Of The Moment"(#4)は、カチッとはまったメロディーが、僕の様な聞き手すらつかむようなナンバーです。

またこのヴィディオ・クリップがなんとも上昇志向というか、オッサンたちそこまでしなくても…という感じです。
商業的に大成功を収めましたが、イエスの同僚、クリス・スクワイアはうらやましかったんでしょうね。トレヴァー・ラビンを加えて再スタートを切った新生イエスをポップに変身させましたが、こちらは大げさな印象を与えないようにトリッキーなハード・ロックをコンピューターを使って作り上げました。

*1:「Decipline」のクリムゾンとか

*2:カンタベリー系の人たちはここでしょう

*3:ジェネシスとか