again#3


219■Blue Suede Shoes Again / Mike Hugg
マンフレッド・マンというグループには、リーダーで才人のマンフレッド・マンの他にもR&B時代のvoで後に俳優になった(その後ブルーズ・バンドへ)、ポール・ジョーンズ、マッギネス・フリントを結成するトム・マッギネスら重要なミュージシャンを輩出していましたが、ds,kbを担当するマイク・ハグもまた有能なミュージシャンです。マンフレッド・マン解散後の72年にリリースした初ソロ「Somewhere」(Polydor)は、派手ではありませんが、メロディアスなナンバーが揃ったニッチ・ポップの傑作です。マイミクさんでもあるA船長さんに聞かせてもらってから、もう数年経ちますが、いまだにCD化の話はありません。
バンドメイトだったマッギネス(g)、マン(org)の他、元ジェフ・ベック・グループのミック・ウォーラー(ds)、フックフットのカレブ・クゥエー(g)とロジャー・ポウプ(ds)、ソフト・マシーンのエルトン・ディーン(sax)、スタジオ・ミュージシャンとしてキャリア十分のアラン・ターニー(b)、グラハム・プリスキット(b)らが参加しています。エルトン・ジョンやキャット・スティーヴンスのような英国然としたssw風の作品もありますが、もう少し軽やかな印象の"Blue Suede Shoes Again"や"Love Is Waiting"が僕は大好きです。ジャズっぽいのでは?という印象は聞く前にありましたが、そういう感じではなくむしろポップの王道路線です。
シングルにもなった"Blue Suede Shoes Again"は、エルトン・ディーンの金属的なトーンのsaxが印象的で、若々しいハグのvoもいいです。
73年にはもう1枚「Stress And Strain」というソロを出していますが、こちらも同様路線。まったくもって過小評価が残念です。