あの頃ルナ・シーと言えば「遥かなる」だった

Luna Sea

Luna Sea

■Lune Sea:Firefall
僕が高校の頃ちょっとだけ加わってたアメリカン・ロックのファンジン「CANDY」は、リンダ・ロンシュタットFCの会長だった長谷部さんをオブザーヴァーにしてリンダFCの森田君(aka MARK)が立ち上げたものでしたが、森田君が当時熱心に入れあげてたのがファイアフォールでした。僕はその影響もあって3枚目の「Elan」('78)あたりからリアルタイムで聞き始めたのですが、元々はフライング・ブリトウズのリック・ロバーツがゼファー*1のラリー・バーネット、ジョ・ジョ・ガンのマーク・アンデス、バーズのマイケル・クラークらと結成したウエスト・コースト〜コロラド・ラインのスーパー・グループで、Atlanticから76年にデビューした当時はロバーツの師匠でもあるスティヴン・スティルスのマナサスの再来として大きく話題となったようです。
77年にリリースされたセカンドは「遥かなるルナ・シー」という邦題でファンタジックなイラストのジャケットが素晴らしい。今ではルナ・シーというとみんな違うものを連想してしまうのですけど。さて95年にRhinoからCD化された際に、このセカンドが当初「Tropical Nights」というタイトルでレコーディングされていた頃のアウトテイク4曲が収められています。演奏面でイニシアティヴをとっていたジョック・バートリーのアコギが美しすぎる"Rainforest"という名曲もあります。
さて前作でゲスト参加だったデイヴィッド・ミューズ(kb,sax,fl,harp)が正式参加した本作から"Just Remember I Love You"(#11)のヒットも生まれ、コンテンポラリーなメロディアスな歌ものも十分にイケることを証明しましたが、今聞くと"Someday Soon"や"Only A Fool"のバラードはポップス寄りすぎてイマイチです。エキサイティングなステージの片鱗が垣間見れにくい、こじんまりとまとまりすぎた嫌いはあります(例外は"Head On Home")。

Rhino:R271925-US

*1:トミー・ボーリンがいたことで知られたハードロック