フェイシズ特集2

■Long Player:The Faces
70年に3月にデビューLPをリリース後、バンドは精力的にツアーに繰り出します。セカンドLP「Long Player」に先駆けて、10月にはシングル"Had Me A Real Good Times"がリリース(B面は未発表曲"Rear Wheel Skid"でボックスでやっと陽の目を浴びました)。同時期のフィルモアでのライヴを含む変則的なセカンドが出たのは、71年3月です。前作よりもロックンロール色が濃くなっています。ルーズなスライドの入った"Bad'N'Ruin"、ロニー・レイン作のフォーキーな"Tell Everyone"(スリム・チャンス時代に再演)、"Richmond"も名演です。複雑な経緯なのは"Maybe I'm Amazed"で、「Long Player」に収められているのはフィルモア・イーストでのライヴ・ヴァージョン。で、LPリリース後スタジオ・ヴァージョンのシングル(B面の"Oh Lord I'm Browned Off"も未発表曲でした)が、米仏などでリリース(英未発売)されています。更にボックスにはBBCライヴも収められています。もちろん、ポール・マッカートニーのファーストに入っている名曲です。レインが歌いだし、スチュワートが引き継ぐという構成です。

夏にはスチュワートの3枚目「Every Picture Tells A Story」がリリースされ、"Maggie Maye"の#1を生み、バンドごとスターダムにのし上がりますが、ロッド&フェイシズという図式が、マスコミ間に出来上がっていったのもこの時期です。こうしてノリノリの状態で3枚目の「念仏」をリリースすることになるのです。