10102★★ナイル殺人事件('78英)

ナイル殺人事件 [DVD]

監督：ジョン・ギラーミン
出演：ピーター・ユスティノフ、ロイス・チャイルズ、ミア・ファロー
｢ナイルに死す」。一般的には｢ナイル殺人事件」ですがオールド・ファンにはこの方が通りがいいのです。英EMI(映画会社の方)が｢オリエント急行殺人事件」の大ヒットでシリーズ化した、アガサ・クリスティーのミステリの映画化の第2弾でした。探偵エルキュール・ポワロ役には、アルバート・フィニーからピーター・ユスティノフへスウィッチ。
クリスティーは中学の頃本当に好きで、ちょうどハヤカワミステリ文庫の創刊と重なった関係で、こつこつと読んでましたね。旦那が考古学者という関係上、アラブ〜エジプトものというのがクリスティーには結構多く、映画化の際、風光明媚というのがポイントとなった時代ですから、以後も「○○殺人事件」の邦題でシリーズ化されました。
さて綺麗な風景があって、オール・スター・キャストでと、お金がかかってますけど、このナイル全然暑そうでないのです。湿気とかもっとあって、虫が寄ってきたり、出演者が悪態をつく、みたいな感じがないので、リアリティーに欠けまくる(ロケではなくきっとセットでしょう)のがマイナス。ただ様式美というか、この手の本格ものにありがちなパターンをちゃんと踏んでいて、その辺は懐かしく感じました。 以前もどこかで書いた覚えありますが、ポワロがみんな犯人の可能性があると仮説を述べるシーンで、主人公のロイス・チャイルズ(｢華麗なるギャツビー」に出てた人ですね)が何度も色々な人に殺されるのは、一種のブラック・ユーモアです。メイド役のジェーン・バーキンは、多分リアルタイムで見た初バーキンだったのですが、ファニーなムードを出しています。他にはアンジェラ・ランズベリー(後にミス・マープル役に)、ベティ・デイヴィス、オリヴィア・ハッセー、ジャック・ウォーデン、デイヴィッド・ニヴン、サム・ワナメイカー、マギー・スミスら。音楽はニーノ・ロータ。
この映画のキャンペーンの為に日本レコード会社が、”ミステリー・ナイル”という曲を出しましたが(本編とは一切関係なく、安田成美の｢ナウシカ｣の様なものです)、歌ってるのは今ではフラダンス関係で有名なサンディー&サンセッツのサンディーでした。