シェップの浮かぶ家

[rakuten:hmvjapan:10561874:detail]
■Floating House Band
カントリー・ロック好きですがカントリーはイマイチ苦手、フォーク・ロック好きですがフォークはイマイチ苦手という情けない僕ですが、一言で「フォーク」といっても、それこそ日本で70's流行った四畳半フォーク的なウェットなムードのものから(これはアコギのコードから来るイメージもあると思いますが全くの門外漢なので書けません)、フォーク・ブルーズみたいなものまぜ様々です。たとえばアルゾのようにリズミックなものならOKなのですが、70'sの米加のシンプルなsswに多い弾き語りは続けて聞くのが今ではつらくなっています(昔はそうでもなかったのですが)。
そういう意味では、マイナー・レーベルのssw達の作品には食指が伸びないのですが、昔からどうしても聞いてみたかった1枚がありました。山羊ひげの怪人シェップ・クック、ストーン・ポニーズのボビー・キメル、キット・アンダーソンによるフローティング・ハウス・バンドです。69年にTakomaから唯一のLPを出しています。以前きよさんが絶賛されていましたが、非常に手作り感のするアコースティックな作品群。弾き語りもありますが、それよりも何本かのアコギがからみ、そこにオートハープバンジョーがいいアクセントをつけています。いきなりウェンディ・ウォルドマン(彼女もカリフォルニアのフォーキーなsswでした)の"Livin' Like There's No Tomorrow"で始まり、ボニー・レイットもやったポール・シーベルの"Any Day Woman"へと続きます。ここが最初のハイライト。キメルの"Song For Martha Lee"もメロディーの美しいナンバーで、個人的にシェップ・クックよりもキメルという人を大いに見直しました。マイナーコードの"The Simple Life"も美しい曲です。
69年というとCSN&Yと同期なわけですが、彼らが70'sに入ってもう1枚、しっかりしたプロダクションで1枚LPを作っていたら、エポックメイキングな作品になったと思いますねえ(でもそれではこれほどシンプルな味わいではなかったかも…)