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手元に「ウエスト・コースト音楽百科」(天辰保文、吉成伸幸 編著)という本があります。奥付を見ると83年講談社から出てる、バイヤーズ・ガイド本で354枚の西海岸音楽のアルバムが紹介されています。とりわけマニアックな本ではないですけど、当時ずいぶん重宝した覚え。これをとっかかりとしていろいろ探して聞き始めたという記憶もありました。

36の章に分かれ、ビーチボーイズから始まって、LAのニュー・ウェイヴで終わっています。「ウエスト・コースト・ロック」いいかえれば「カリフォルニア・サウンド」というのは、世代によってずいぶんイメージするものが違います。イーグルスジャクソン・ブラウンなどテキーラ・サーキット系のアーティストをイメージする僕の様なタイプもあれば、一世代前のCSN&Yやバーズを、またアメリカやロギンズ&メッシーナをイメージする人もいれば、スティーリー・ダンボズ・スキャッグスTOTOなどを連想する人もいます。そもそもLAとSFでは象徴するものも違うし、それ以外にもオークランド、バークレイなど他にも都市はあります。「カントリー・ロック」や「ssw」、「女性ヴォーカル」ともリンクする部分は多分にありますし、西海岸出身ではないのに、極端な話英国や日本にも「ウエスト・コースト風サウンド」はありました。と甚だ複雑な状況なのですが、僕はそういうものをすべてひっくるめて大好きなのだなあと今なお思います。
80's後半にこの本が絶版になってから、後継本としてシンコー・ミュージックよりDIG Presentsとして「WEST COAST ROCK」(監修は宇田和宏)という本も07年にようやく出ました。どちらも一長一短あります。バンド形式やジャンル形式で章を割くのは土台無理があるからでしょう。やはり年代順に追わなければ…

DISC GUIDE SERIES(28) WEST COAST ROCK (THE DIG PRESENTS DISC GUIDE SERIES)

DISC GUIDE SERIES(28) WEST COAST ROCK (THE DIG PRESENTS DISC GUIDE SERIES)

と書きつつ、「ウエストコースト音楽百科」を見てたら久しぶりにまとまった文章を書きたくなりました。基本はこの本の順に沿って書いてゆきたいと思います。