#1それはビーチボーイズから始まった

Today!/Summer Days (And Summer Nights!!)

Today!/Summer Days (And Summer Nights!!)

■Beach Boys Today!:The Beach Boys
手元に「ウエスト・コースト音楽百科」(天辰保文、吉成伸幸 編著)という本があります。奥付を見ると83年講談社から出てる、バイヤーズ・ガイド本で354枚の西海岸音楽のアルバムが紹介されています。とりわけマニアックな本ではないですけど、当時ずいぶん重宝した覚え。これをとっかかりとしていろいろ探して聞き始めたという記憶もありました。

その本の最初はやはり「ビーチ・ボーイズ」から始まっています(第1章「サーフィンとホット・ロッド」)。イーグルスドゥービー・ブラザーズで西海岸のロックを知ったビギナーがサーフィン・ホット・ロッド期のBB5から始めるのは、なかなか酷な気もしますけど、何事も初めが肝心です。というわけで初期のビーチボーイズを聞こうと思い、サーフィン時代の終焉を告げる「Today!」('64)に手を伸ばします。

「ペット・サウンズ」周辺のプログレッシヴなBB5や、70's初頭のひたすらメロディアスなBrother時代もいいけど(一番好きなアルバムは「Sunflower」というのは変わってません)ね。さて演奏はグループではなくスタジオミュージシャンで、voのみグループ。更に曲を書き、prodもやってる中心人物のブライアン・ウィルソンはライヴには参加せず、裏方に徹するという、当時としては信じられない斬新な手法でグループ運営を始めた時期です。
有名曲に挟まれた"Kiss Me Baby"や"Don't Hurt My Little Sister"も捨てがたいです。それにしても"Help Me Rhonda"のLPヴァージョン(次の「Summer Days」にはシングルヴァージョンが収録)はいわゆる優柔不断mixとして有名で終わりそうで終わらないです。

そもそもBB5に関しては80年に出た7枚組の「Capitol Years」をレンタルしてきた大学時代の友人(彼は特に音楽に詳しかったわけじゃないけど、松田聖子とBB5が好きだった)からカセットを借りて聞いてたあたりから始まります。80'sの初め、流しっぱなしだったため意識して聞くようになってからこれ知ってるの連続でした。それと山下達郎萩原健太両氏の影響も大きかったなあ。
初期Brother時代の作品は、90'sにEpic〜CaribouからCD化されるまでなかなか聞けませんでした(その後もそれらが廃盤で、また高値に戻りましたが現在はフツーに聞けます)ので、「Sunflower」から「Surf's Up」あたりまでの思いはひとしおです。下北沢に短期間あったハリーズという店で、ボロボロの「Surf's Up」を安価で買った時のワクワク感も格別でした。

追記:何気なくこの本の事を書いたらそれがシリーズ化してしまいました。

ウエスト・コースト音楽百科

ウエスト・コースト音楽百科