#10リック・ロバーツ

Windmills: She Is a Song

Windmills: She Is a Song

■She Is A Song:Rick Roberts
グラムの後を継いで短期間ながらFBBを支えたリック・ロバーツは、バンド解散後A&Mとソロ契約をし「Windmills」('72)でデビュー。同時期にデビューしたイーグルスジャクソン・ブラウンなどAsylum勢が参加した土くさいそしてメロディアスなカントリー・ロックになっていますが、セカンド「She Is A Song」('73)ではマナサス、バーンストームの面々が参加。とりわけスティルスの影響が濃い1枚となっています。コロラドをベースに活動していた人ですが、当時のコロラドは、音楽都市になりつつあったLAに比較的近く、自然たっぷりの落ち着いた環境という事もあり、ジョー・ウォルシュ、ダン・フォゲルバーグ、ポコ、マナサスのメンバーらが住み、東のウッドストック(ベアズヴィル)、西のボールダーと呼ばれるくらい(呼んでるのは僕だけですが)、ミュージシャンのコミューン的な場所となっていました。ネダーランドにカリブー・ランチ・スタジオを作ったのは、シカゴのprodでバッキンガムスにいたジェームズ・ガルシオで、このスタジオでレコーディングするためにEW&Fエルトン・ジョンビーチボーイズ等がやってきた事もありました。
さて日本では77年になってキングよりやっとリリースされた(以前紹介したジーン・クラークと同じく)「She Is A Song」は、クリス・ヒルマンがprod。その流れでポール・ハリス(kb)、アル・パーキンス(steel)、ジョー・ララ(perc)といったマナサスのメンバー、ジョー・ウォルシュ(g)、ケニー・パサレリ(b)、ジョー・ヴァイターリ(fl,ds)、更にポコのジョージ・グランサム(ds)、ラスティ・ヤング(steel)といったコロラド人脈が参加した(カリブー・ランチはまだ出来てないのでLA録音)傑作です。ステーヴ・フロムホルツが歌うナンバーもありますが、ロバーツの書く洗練された親しみやすいメロディーのナンバーは魅力的で、しっかりとしたバック演奏に乗せて歌われます。個人的にはタイトル曲、バッファロー・スプリングフィールドのカヴァー"Four Days Gone"、ウォルシュのslideが炸裂する"Sweet Maria"あたりでしょう。

その後マナサスを解散したスティルスのバンドに加わってましたが、75年にジョ・ジョ・ガンのマーク・アンデス(b)、グラム・パーソンズ&フォールン・エンジェルズのジョック・バートリー(g)らとファイアフォールを結成。Atlanticから76年にデビューします。
Firefall

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