ラファイエット

先週がアラン・トゥーサンだったんでニュー・オーリンズをスタート地点とします。ルイジアナ州都バトン・ルージュを経由し、西へ向かうとラファイエット(Lafayette)に着きます。思い出すのはジェシ・コリン・ヤングの"Lafayette Waltz"。ハンク・ウィリアムスの"Jambalaya"とメドレーで歌われます。

そしてラファイエットはアケイディアン(北米の植民地に移住していたフランス語系の人々)の街としても知られています。フランス南西部出身者がカナダ大西洋沿岸諸州に移住したのち、仏領と英領のはざまにあった事から両国間の争いに巻き込まれ、結局は現在のフレンチ・ルイジアナと呼ばれるルイジアナ州南部に再移住することになるのです。この辺の悲劇的を、流木にたとえて歌ったザ・バンドの"Acadian Driftwood"は、やはり心を打ちます。

このラスト・ワルツの公式音源から漏れたヴァージョン(後にボックスに収録)にはカナダ人のジョニ・ミッチェルとニール・ヤングも参加。リヴォン・ヘルム以外カナダ出身のザ・バンドが歌う事でまた、その哀しい意味合いも深く聞こえるのです。
アケイディアンがなまってケイジャン(Cajun)になったといわれますが、ケイジャン・ミュージックといえばaccordionやfiddleをフィーチャーした踊れる音楽を指します。
ケイジャンで思い出すのは、ルイジアナ出身のfiddlerのギブ・ギルボーをフィーチャーしたスワンプウォーターです。後にリンダ・ロンシュタットのバックを務める事もありましたスワンプウォーターは、2枚のLPを残したきりですが、ギルボーは、ロッド・スチュワートロン・ウッドがカヴァーした"Big Bayou"と言うナンバーを書いてます。

最後にザイディコ(Zydico)のことを。こうしたケイジャン音楽を黒人がやった場合、アコーディオンをメインとしてザイディコと呼ばれる事が多いです。60'sにはクリフトン・シニエが"Les Haricots Sont Pas Salés" (インゲン豆は塩辛くない、の意味)と言う曲をヒットさせたり、70'sにはバックウィート・ザイディコが登場して日本でもワールド・ミュージックが盛んなころに注目された事がありました。僕がこの辺の事を知ったのはピーター・バラカンさんのラジオです。