【Arista75年の人たち】5・ファンシー

キャット・スティーヴンスを見出したプロデューサーのマイク・ハーストが、トロッグスの"Wild Thing"を女性voでカヴァーするというアイディアを、旧知のレイ・フェンウィック(g)に依頼。フェンウィックは元スペンサー・デイヴィス・グループのメンバーで、アフター・ティーなどオランダでの営業も多い、ビジネスの才覚もあった人で、セッションマンのモ・フォスター(b〜アフィニティ、ショパン)、ヘンリー・スピネッティ(ds〜ハード、ストーリーテラー、レイジー・レイサー、クラプトン・バンド)に、ペントハウス誌のペットだったヘレン・カントをvoにして74年に"Wild Thing"をカヴァー。イギリスでは不発でしたが、米Big Treeから出たシングルが#14まで上がるヒットとなり、思わぬ(うれしい)誤算からLPのレコーディングが必要となりました。このレコーディングにあたりvoが、カントからアニー・カヴァナーに、dsがスピネッティからレス・ビンクス(後にジューダス・プリースト)に代わっています。ブロンドに髭面という美女と野獣のコンセプトを打ち出した、アイディア先行のもので、グラム風、ファンク風、ディスコ風の曲もありますが、基本線はアニー嬢のvoを聞かせる匿名的なポップロックです。75年のセカンド「Turns You On」からシングルになった"She's Riding The Rock Machine"は、なかなかキャッチーなロックンロールです。
https://www.youtube.com/watch?v=YYhfjML8DrU