短編ノススメ

#3人間椅子(江戸川乱歩)

江戸川乱歩というと、日本の推理小説(というよりも探偵小説だね、この場合は)界黎明期の巨人であり、戦前から海外の作品を紹介した人なんだけど、その作風は時代柄、ストレートな推理物というよりは、通俗小説的な(特に長編)色合いも強かった。また単に推…

#2炎天(W・F・ハーヴィー/平井呈一訳)

特に80'sは「怪奇と幻想」ものの短編をよく読んでた気がする。ファンタジーというものが今ほど日常にあふれていなかった頃。創元推理文庫の5巻からなる「怪奇小説傑作集」と言うアンソロジーは、とりあえず古典を歴史順に並べた定番もの。その第1巻は古色蒼然…

#1南から来た男(ロアルド・ダール/田村隆一訳)

「奇妙な味」と言われるジャンルがある。読後にストレンジな味わいを残す短編(が中心)を指して、ミステリ、サスペンスからSF、ファンタシーさらに純文学まで幅広い。その代表選手がウェールズ出身のノルウェイ系英国人作家ロアルド・ダール。最近は映画化され…