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■Absolutely (77)*

ボクサーは、マイク・パトゥー(vo)の最後のキャリアとなったバンドでヴァージンにしては珍しいハードロック。といってもオリー・ハルソール(g/元パトゥー)、キース・エリス(b/元ジューシー・ルーシー)、トニー・ニューマン(ds/元メイ・ブリッツ)だから一筋縄ではいかない。これはジャケで有名なファーストではなく、2枚目(幻の2枚目を入れると3枚目)。パトゥー以外はメンバーを一新、ティム・ボガート(b/元ヴァニラ・ファッジ)、エイドリアン・フィッシャー(g/元スパークス)、クリス・ステイントン(kb/元グリースバンド)の名前も見られる。音は全く覚えてないが、まあクセのある音だったんだろう。リリースはエピックから。
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■Alias Boona ('69)
エイリアス・ブーナ
■Terence Boylan ('77)*
■Suzy ('80)*

テレンス・ボイランがその風貌から第2のジャクソン・ブラウンとしてアサイラム(というか日本のワーナー)から売り出されようとしたのは、仕方がないけれど、bの77年の2枚目は「リリシズム」なる邦題でリリース。イアン・マシューズがカヴァーした"Shake It"のオリジナルヴァージョンが収められているが、全体にシャキッとはしていない。aはそれに先立つ8年前にヴァーヴからリリースされた、アリアス・ブーナのLP。現在ではボイランのファーストと見なされているが、フォークっぽい印象もあるし、まああの時代らしい音ではある。スティーリー・ダン以前のベッカー=フェイゲンが絡んでることからコレクターズアイテムだったけど、まあその価値はあるかな?ディランの"Subterranean Homesick Blues"のカヴァーあり。
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■The Dancer ('77)*

インド出身、英国育ちのgtr、ゲイリー・ボイルといえば、ブライアン・オーガーやアイソトープなどジャズロック畑で活動してた人だけど、ガルに残したこのファーストソロは素晴らしい。特にタイトル曲はブランドXやアイソトープなど当時のブリティッシュ・ジャズの第一線プレイヤーが白熱のプレイを聞かせる。percの入り方が後期ゴング的でもある。
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■It's Time / Lady's Choice ('04)
It's Time: Lady's Choice
ラニー&ボニーならいいけど、ボニー・ブラムレットのソロとなると僕には荷が重い。これはキャプリコーン時代の75年、76年作の2in1で、豪レイヴンからのリリース。かなりサザンソウル寄り。
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■Some Things Coming ('72)
Some Things Coming / Mobius Strip
ラニー・ブラムレットのソロならまだOK。これはデュオ解散後の72年に出したファースト。クラプトンに与えた影響はかなり大きい。ソロといっても基本的に変化なし(ボニー役はブラックベリーズのクライディー・キング)だが、こちらは無名のミュージシャンがバッキング。
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a■Accept No Substitute ('69)*
b■On Tour ('70)
c■To Bonnie From Delaney ('71)*
d■Motel Shot ('71)*
モーテル・ショット
e■Together ('72)
スタックスと契約した初めての白人グループとして知られたデラニーとボニーのブラムレット夫妻を中心にした大所帯のユニットが、ラニー&ボニー&フレンズ。シンドッグスのデラニーにリオン・ラッセルのタルサ人脈でLAスワンプの腕利きを集めた感のあるフレンズは、カール・レイドル(b)、ボビー・ホイットロック(kb)、ジム・ケルトナー(ds)、ジム・ゴードン(ds)、ボビー・キーズ(sax)、ジム・プライス(tp)、そしてリオン(g,kb)。aはエレクトラからのデビュー盤(2枚目)。bはクラプトンやデイヴ・メイスンをフィーチャーした熱いライヴ。アンプラグドなdを最高傑作に挙げる人は多いが、白人による最高のゴスペルファンクだろう。72年のCBS移籍盤eをもって解散。夫婦は別れている。
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a■Harvest ('70)*
b■New Moon Rising ('75)


3大カレンの1人、カレン・ベスは69年にデッカからデビューしたフォーキーなssw。aは2枚目で、全編ローカル色濃いフォーキー・チューン。オリジナルに混ざってジョン・ヘラルドの"Up To My Neck In High Muddywater"のカヴァーをフィーチャー。bはジョン・サイモンprodがらみで話題となるものだが(ジョン・ホールやカル・デイヴィッドも参加)、ブッダに残した3枚目。きよさんの好意で聞かせてもらったが、"Flying"の軽やかな感じがいい。
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■Best Of Bread ('74)*
■Essentials ('02)

Essentials
デイヴィッド・ゲイツ、ジェームズ・グリフィン、ロブ・ロイヤー、マイク・ボッツ、ラリー・ネクテルから成るソフトロック。ボッツ=ネクテルはスタジオ・ミュージシャンとしても知られてる人で、このブレッドの流れるようなメロディーは、ソングライターとしてマーメイズのヒットを書いたゲイツやグリフィン(去年亡くなった)によるところが大きい。悪くはないけど全部おんなじ感じなので個人的にはベストで十分。とりわけ"Make It With You"は、月並みながら名曲。bはゲイツのソロヒットまで収めたもので少しやりすぎだけど・・・