Nice To Meet Miss Christine / Chris Harwood

Finyl2005-01-20

70年にBirthというマイナーレーベル(たった5枚しか残せなかった)に唯一のLPを残した、女性シンガー、クリス・ハーウッドのアルバムが、去年イタリアのArkamaからCD化された。物の本でも5桁を越すレア盤とのこと。とにかく名前のみ知られていた1枚。このイタリア盤CDは音は悪いが(なんとかならんか)、まずは聞けるようになってめでたい。
なぜそこまで、語られるのか?勿論レアという事もあるが、70’s初頭のイギリスのアンダーグラウンドなムードをたたえながら、女性ヴォーカルものとしてある程度のレベルに達してる事。またバックのメンバーが豪華という事もある。
そのバックには、クリムゾンを辞めたイアン・マクドナルド(sax,fl)、元イエスピーター・バンクス(g)、リフ・ラフのトミー・アイアー(kb)、ロジャー・サットン(b)、ストローブスのデイヴ・ランバート(g)など。
僕がこのアルバムの存在を知ったのは、プログレ雑誌だった頃の「フールズメイト」誌での「なつかしのブリティッシュ・ロック名盤」と言うページだった。アン・オデール、キャタピラ、アフィニティ、スタッド、リンダ・ホイルなど今ではほとんど聞けるようになったが、ハーウッドのこのアルバムだけが入手困難だったのだ。
ジャズロック系のミュージシャンがバックなので、演奏は端整でクール。それに乗せて歌われるCS&Nの”Wooden Ship”、トラフィックの”Crying To Be Heard”のカヴァーもいいが、カーヴド・エアーっぽい”Question Of Time”、"Before You Right Now”といった曲も素晴らしい。