Some Of Shelley's Blues / Nitty Gritty Dirt Band

someつながり
70年に出た、NGDBの5枚目「Uncle Charlie & His Dog Teddy」から。元々はジャグバンドからスタートしたNGDBの音楽性が、カントリーロックに大きくシフトした1枚として忘れられない。伝統的なカントリー音楽というよりは、伝承されたフォーク音楽に現代的な(当時の)ポップソングをたくみに紛れ込ませ、さらにチャーリー・ロバートソンのインタヴューを交え、ひとつのドキュメントのようにリアリティを持たせる手法は、アイディアの勝利だ。その「現代的なポップソング」は、同時代のsswの作品を選んでおり、ジェリー・ジェフ・ウォーカーの”Mr.Bojungle”、ケニー・ロギンズの”House At Pooh Corner”(ロギンズ&メッシーナでもヒットしたが、こっちの方が早い)、ランディ・ニューマンの”Living Wiyhout You”、そしてマイケル・ネスミスのSome Of Shelley’s Bluesがそれにあたる。
モンキーズの事はあまりよく知らないのだけど、そのメンバーのマイケル・ネスミスが、ファースト・ナショナル・バンドを率いてカントリーロックをやってることは、さすがに今は知られてるようだけど、リンダ・ロンシュタットストーンズ・ポニーズ時代にヒットさせたカントリー・ロック・ナンバー”Different Drum”が、ネスミスのナンバーという事が、「意外にも」という形容詞と共に語られたものだったのだ、70年代は。
で、NGDBの演奏は、あたかも戦前のブルーグラスバンドの様な、老獪な演奏を聞かせたかと思うと、バディ・ホリーの”Rave On”では爆発的な若さ満載のプレイを聞かせる縦横無尽ぶり。メンバーは、レス・トンプソン(b、g、mand、vo)、ジミー・イボットソン(g、ds、p、vo)、ジミー・ファデン(g、harmonica、vo)、ジェフ・ハンナ(g、ds、vo)、ジョン・マッキューン(g、banjo、mand、vo)。カントリー・ロックの大傑作のひとつ。
Uncle Charlie & His Dog Teddy