Hell's Bells / Bruford

bellつながり
リアルタイムでのプログレというと、御三家の久々の新作がそろって出た世代なので、「アニマルズ」「三部作」「究極」となる。けどスーパー・グループというふれこみだった、UKの登場も当時日本の音楽雑誌もこぞって取り上げられた。キング・クリムゾンのリズム・セクション、ビル・ブルフォード(こう書くのが正しいと本人がインタヴューで答えていた)とジョン・ウェットンにカーヴド・エアー〜ロキシー・ミュージックエディ・ジョブソン、そしてソフト・マシーンアラン・ホールズワースの4人がメンバー。とは言ってもこれは、ウェットンのもったいぶった歌を聞かせるバンドで、案の定、演奏を重視したいブルフォードは、ホールズワースを連れて脱退、自身のバンド、ブルフォードを結成する。
79年に出た「One Of A Kind」はオール・インストのジャズ・ロックで、全体のトーンは打楽器色を強めた後期ゴングにも似ており、その辺の質感が僕を魅了するのだろう(ホールズワースが抜けたこれ以降、僕の興味も薄れてゆくのだ)。当時アメリカのフュージョンが日本でもよく聴かれてて、対してこういったイギリスのジャズ(ロック)を、ブリティッシュフュージョンと呼ぶ動きもあったのだけど、定着はしなかった。
ここでのラインナップは、旧UK組にジェフ・バーリン(b)、そしてナショナル・ヘルスから加わった(金のためと揶揄されたが)デイヴ・スチュワート(kb)の4人。
ゴング風のパーカッションを使ったタイトル曲もいいが、アラン・ガウエンとスチュワートの共作で、おそらくはヘルス時代のレパートリーのHell’s Bellsは、分厚いsynから始まって、変則的なブルフォードのdsが入る瞬間が、かなりかっこいい。gの入り方を含め、様式的にカチッと決まった曲ではあるが、演奏自体はフリー・フォームだ。
ところどころでノイジーなトーンのgを弾いてささやかな自己主張をする、ホールズワースは、本作以後ソロになり、エディ・ヴァン・へイレンなど新世代のギタリストたちに多くのフォロワーを生んだ。
One of a Kind