It's Raining / Rick Derringer

All American Boy
雨の歌#13
リック・デリンジャーというと、60'sはマコイーズで活躍、70'sに入るとウィンター・ファミリーのprod、エドガー・ウィンター・グループ、ソロ、デリンジャー(バンド)とまさに八面六臂の活躍だった。童顔と甘いルックスからアイドル的な人気もあった人。
74年の最初のソロ「All American Boy」はエピック傘下のブルー・スカイ(ウィンター・ファミリーのレーベル)からリリースされた傑作。ハードロックもあれば、メロディ・メーカーとしてのセンスを生かしたものもある。果ては、デヴィッド・ブロンバーグが加わったカントリーロックもある。
代表曲は、すでにジョニー・ウィンター・アンド、エドガー・ウィンター&ホワイト・トラッシュで取り上げられた”Rock & Roll Hoochie Koo”。これはこの時期の東海岸を代表するハードロック・ナンバー。思えば東のハードロックと言うと、エアロスミスブルー・オイスター・カルトなんかよりも僕は、エドガー・ウィンターだったりするのだ。当時から交流があった、ジョー・ウォルシュ(マイケル・スタンレーのソロでも共演)が彼のバンド、バーンストーム(ケニー・パサレリ、ジョー・ヴァイターリ、ジョー・ララ)ごと参加した曲もあるが、基本的にはボビー・コールドウェル(元ジョニー・ウィンター・アンド〜キャプテン・ビヨンド)のdsをバックに、デリンジャーがダビングといった感じ。メローな”Airport Giveth”、”Jump Jump Jump”などフィリー・ソウルからの影響もあるが、このIt’s Rainingでは、トゥーツ・シールマンスの透明感あふれるハーモニカをフィーチャー。いわばこんな曲も出来るんだよ、と引き出しの多さを見せ付けた感じ。
この後自己のバンド、デリンジャーを結成。こちらは正統的なハードロックで、メロディアスな曲がない分、僕向きではない。